BBCのサイトに、イランの最近のインフレに関する、情報が掲載されていた。それによると、生活物資は過去2-3ヶ月で、2倍から3倍に値上がりし、一部商品については、不買運動が起こっているとのことだ。紅茶については、輸入が止まるといううわさが広がり、買いだめの客が店に殺到し、品切れになり価格が暴騰したというのだ。
ある夫婦が、住宅を購入してから子供を生もうと思い、金をため半額を払って、残りをローン支払いにしていたらしいのだ、金利が上がり二人のサラリーを一緒にして、やっと払う状態になり、遂に親元に同居し、残金を払いきったという話も紹介されていた。
問題はこうした傾向は、世界の何処の国でも起こっているわけだが、それに耐え切れる国と、耐え切れない国が、出てくるということだ。耐え切れない国では、国民が戦争を待望するようになっている。6月に出かけたエジプトでは、多くの国民が現状から逃避したいために、戦争が起こることを、心待ちにしていたのだ。
イランの場合も同様であろう。イランは産油国であることから、非産油国に比べ少しはましだろうが、それは程度の差に過ぎない。そうなると、イランでも思いのほか戦争待望の感情が、国民の間で広がっているかも知れない。
ジュネーブ会議後、2週間の猶予を受けたイランが、どう返答するかによっては、今後、国連の決議でイラン制裁が行われ、海上封鎖などもありえよう。そうなった場合、革命防衛隊の一部が、アメリカの艦船に、自爆攻撃をすることもありえよう。
その瞬間に、アメリカはイランに対する、報復空爆を開始し戦争となろう。つまり、いまのイランの国内状況は、戦争をぜひとも避けよう、というムードだけではないのだということだ。
世界の多くの国では、国民たちがイラン国民と同様の、感情を抱いていることも事実だ。日本はその意味では、まだ耐えうる範囲内の経済悪化であり、冷静に状況を捉えているといえよう。そうである以上、日本は積極的に戦争回避の、努力をすべきであろう。
イランもインフレ国民は暴発しないのか
2008年7月23日