時間稼ぎはイラン?アメリカ?

2008年7月20日

 スイスのジュネーブで開催された、イランの核問題に関する会議は、結局、イランのサイード・ジャリーリ代表と、アメリカのウイリアム・バーンズ代表が、直接顔を合わせることなく終わった。

 EUの代表ソラナ氏が、両者の間を行き来して、会議を行ったのだが、結果は予想通り、イランはイランの立場を、アメリカはアメリカの立場を、表明したに過ぎなかったようだ。

 しかし、そうは言っても、何の成果もなかったわけではない。イランとアメリカには2週間の猶予期間が与えられ、双方は新たな対話の機会を持つことになったのだ。

その2週間後に、どのような妥協案がイラン側から出てくるのかを、世界は固唾を呑んで見守っているということであろう。

 しかし、イランがウラニュームの濃縮活動を止めるとは思えないことから、結果的には、次の会議でも成果が出ない、ということではないか。

 会議後に、ウイリアム・バーンズ氏は何らコメントすることはなかったが、ホワイトハウスのスポークスマンであるマコーマック氏は「戦争か妥協かを選択する時期が来たことを知れ】「われわれは真剣だ」といった内容の、コメントをしている。

 イラン側が2週間の猶予期間を受け入れたことは、イランに対して濃縮の期間を、与えたということでもあろう。そのイラン側の出方に、アメリカは我慢できるのか。

あるいは、アメリカはそれを口実にして、イランの頑迷な立場を世界に宣伝し、しかるべき新たな選択をするのか。いずれになるかは別に、あと少しで結論が出る時期が来よう。