モファズ運輸相の危険な発言

2008年7月18日

 イスラエルのモファズ運輸相が、極めて意味深長で、危険な内容の発言をしている。これは彼がエルサレムポス紙との、インタビューで語ったものだ。

 彼曰く「イランが核開発を止めないのであれば、イスラエルはイランを攻撃しなければならない。」というのだ。そして「イランに対する制裁は、効果が期待できない。したがって、イランを攻撃をして、核開発を止めるしかないのだ。】といった内容だ。

 そして、イスラエルは軍事力を行使して、イランの核開発が進むことを、阻止するしかないのだということだ。イスラエルにとって、イランが核保有国になることはまさに地獄であろう。それを阻止する手段は、軍事行動ということになるのだというのだ。

 彼モファズは、今月中にワシントンを訪問して、アメリカ政府高官で、イラン問題に関っている人たちと、話し合ってくるということだ。

彼は形式的には国連の、より厳しいイランに対する制裁も口にしているが、ほとんど効果がないこと、イランの立場に変化がないことを予測している。

このイランに対する、厳しい見方をしているモファズなる人物が、現役のイスラエルの閣僚であり、しかも9月の、与党カデマ党の党首選挙に、立候補する予定者なのだ。

そのことは彼が自動的に、イスラエルの首相候補でもあるということなのだ。そのような人物が、いまの時期に強硬発言をすることが、現在のイスラエルでは、国民の支持をより多く受けるという、彼自身の判断からの発言であろう。

このことから、いかにイスラエル国民が、イランの核兵器開発問題を、真剣に受け止め、不安を抱いているかが分かろう。したがって、アメリカ国務次官のウイリアム・バーンズ氏は、スイスのジュネーブで行われる、イランとの交渉で、よほど明確な答えを、イラン側から引き出さなければならない、ということになる。

世界の命運がかかっている、アメリカとイランとの真剣勝負の交渉に、アメリカは国務次官、イランアからはサイード・ジャラーリ核交渉担当者が出席するというのだが、なんとなく二人とも役不足な気がしないでもないが。この役者二人を見ると、アメリカとイランは、本気で話し合う気があるのか、少しだけ疑問が沸いてくるが??

湾岸危機から湾岸戦争に移行するときの交渉は、アメリカ側からはベーカー国務長官が出席し、イラク側からはアジーズ外務大臣が出席したのではなかったか?