イランとアメリカ・イスラエルとの緊張の中で、イランがロシアから高性能の地対空ミサイルを、購入することが懸念されている。
もし、イランがロシアから高性能の地対空ミサイルを購入すれば、イランはイスラエルやアメリカからの空爆を、防ぐことが出来るようになるからだ。そのことは間単に考えれば、アメリカやイスラエルのイランに対する爆撃機による空爆や、ミサイル攻撃は大幅にその効果を低減させる、ということを意味している。
したがって、ロシアが何時イランに対して、地対空ミサイルを引き渡すのか、イランがそれをどこに配備し、それが何時完了するのかが、アメリカ・イスラエルの間で真剣に検討されていた。
ここに来て、サウジアラビアがロシアに対し、T-90型戦車150両、軍用ヘリコプター160機の購入を申し込んだ。これは元駐米大使だったバンダル氏や、ファイサル外相などが、公式に申し入れているものだ。
したがって、サウジアラビアの申し入れは、ロシア側も受け入れることになろう。それは、アメリカとサウジアラビアの間に、ロシア兵器の購入をめぐり話がついているからだ。
アメリカがサウジアラビアに対し、ロシア兵器の輸入を認めたのは、そのことによっ、ロシアにイランへの地対空ミサイルの輸出を、止めてもらいたいという意向があるからだ。
問題はロシアが、サウジアラビアに対して兵器を輸出することにより、イランに対して高性能な地対空ミサイルを、輸出しなくなるのかということだ。多分に予想されるのは、輸出時期が少し遅れるくらいのことではないのか。
イスラエルが先に行った、地中海空域での戦闘訓練で、ギリシャのミサイル基地のレーダーがどう反応するのか、ミサイルがどう反応するのかを、確かめたようだが、それには、ギリシャ側のミサイルもレーダーも、反応しなかったということだ。
それは、ギリシャ側がイスラエルの訓練の内容を、ほぼつかんでおり、スイッチを切っておいたからだといわれている。これでは、せっかくのロシアの新型ミサイルと、レーダーの能力をテストしようとしたのだが、それが出来なかったということだ。
イスラエルが常々主張しているように、アメリカのイラン攻撃が遅延することは、イランをより傲慢な態度を取らせるようにし、アメリカの我慢が限界を超えるのではないかという不安がある。そうなって欲しくないものだ。