イランの首都テヘランで、非同盟諸国外相会議が開催されるが、その会議にトルコのババジャン外相が、出席することになった。
この会議の傍ら、ババジャン外相はイランと西側諸国との、仲介に動くことが予測されている。イランはトルコに対し、現在のアメリカとの、緊張緩和の仲介を依頼するだろうし、アメリカだけではなく、昨年に続き、再度EUとの仲介役も依頼しよう。
トルコは反米的な色彩の強い、非同盟諸国会議のメンバーではないが、2006年以来、オブザーバーとなっており、今回も非同盟諸国外相会議に、参加することになっている。
会議は7月28日か7月31日までだが、トルコ外務省の高官は、ババジャン外相とイラン側高官との会談が、用意されていることをほのめかしている。
トルコのババジャン外相が、このタイミングでテヘランを訪問することは、アメリカにとってもイランにとっても好都合であろう。なぜならば、イランが長距離ミサイルの発射実験をしたことが、アメリカとの関係、イスラエルとの関係で緊張をもたらしているからだ。
イラン政府はトルコとの関係を重視してか、最近、公使としてアンカラに駐在していたバフマン・フセイン・ポウル氏を、大使に格上げしている。このことは、トルコの事情に詳しく、人脈もある人物を格上げすることにより、イランがトルコとの関係を、より緊密にすることを狙っての人事であろう。
トルコが新たに起こっている、イランとアメリカ・イスラエルとの緊張を、昨年同様に緩和できるとすれば、世界から評価され、感謝されることになろう。
なかでも、イランとアメリカとの戦争が始まった場合、大被害をこうむる危険性のある湾岸諸国からは、絶大な感謝と賛辞が寄せられよう。
中東地域では、トルコの存在が次第に大きくなりつつあるということだ。