イランのミサイルは画像修正だというが

2008年7月12日

 イランがシェハーブ3型ミサイルの、発射実験を行ったことをテレビで流し、それを世界中のマスコミが伝えた。「イランは危険な国家」、「イランのミサイルはイスラエルのテルアビブにも、東ヨーロッパにも届く」というイメージが広がり、それが世界中で定着したようだ。

 その後まもなくして、イスラエルのエルサレム・ポストは、この映像が修正されたものであると伝え始めた。続いて、アメリカからも、イランの流したテレビ画像は、修正されたものである、という指摘があった。

 確かに、イスラエルやアメリカから出された画像は、全く同じ土煙が二つあり、同一のミサイルの画像が二つ並んでいる。つまり、二つのミサイル発射の様子を組み替えて、数発のミサイルがほぼ同時に、発射されたように出来ているのだ。

 しかし、イランが発表したミサイル発射の画像は、それほど多くのミサイルが画面には映っていなかったような気がするのに対し、イスラエルやアメリカの画像では、5-6発のミサイルが写っていたように記憶する。

 つまり、画像はイスラエルかアメリカで作られた可能性も、あるのではないかということだ。不思議なことに、イラン側はこの点について、何ら反論していない。そればかりか、その後も、ミサイル発射実験が行われたことを、何事もなかったかのように伝えている。

 イランのモッタキ外相は、このミサイルの偽画像疑惑の後で、「イスラエルにもアメリカにも、イランを攻撃する能力がない」と言っている。つまり、イスラエルやアメリカが、イランを非難しけちをつけているが、攻撃をする意思も能力もないのだろう、やれるものならやってみろということだ。

 イランのミサイル実験は、イスラエルとアメリカ側に「ニセモノ説」を流させたが、かえってイランの立場を強くしてしまったのではないか。イランは今後も、イスラエルとアメリカに対し、挑発的な言辞を繰り返すものと思われる。 

そのイランの挑発に、イスラエルやアメリカが乗れば、世界は大変なことになるということを、イスラエルもアメリカも分かっていよう。

 今現在の時点で考えれば、イランがイスラエルやアメリカに対し、優位を保っているということであろうか。しかし、それは危険な優位でもある。