イスラエルがイランを攻撃する目途

2008年7月 5日

 昨夜、イランがEUの提案に応じる姿勢を示したが、それだけで戦争の危機が完全に取り除かれたわけではない。戦争の不安が完全に取り除かれるには、まだまだ幾つもの障害がありそうだ。

 イラン政府はイラン外相の、EU提案受け入れメッセージが届けられた後で、「イランの核開発はあくまでも平和的利用が目的であるから、これまでの方針を変えるつもりはない」と主張している。この考えはアハマド・ネジャド大統領の考えであろうか。

 イランの核開発に対し、最も厳しい見方をしているのは、その核兵器の最初の犠牲者になるであろうイスラエルだが、イスラエルはイランの核開発に関連し、二つのレッド・ラインを設けているということだ。

 第一のレッド・ラインは、イランが核兵器を作るに十分な、ウランの濃縮が出来たときだということだ。つまり、それはイランが核兵器を確実に持つ、という目安なのであろう。

 イスラエルが設定していると思われる第二のレッド・ラインは、イランがロシア製の対空ミサイルを手にし、戦闘に備えて配備したときだということだ。

 イスラエルはイランが核兵器製造に、十分な濃縮ウランを手にするのは、今年末か来年ということだが、それまでには攻撃する、と考えているのであろうか。そうであるとすれば、イランは政治家の面子などで、言を左右している余裕は、ないと思うのだが。