イランのウラニューム濃縮停止受け入れとその後

2008年7月 5日

 現在7月5日午前12時35分だが、BBCが伝えたイランのウラニューム濃縮停止受け入れは、CNNでもエルサレムポストでも流していない。彼らはこのニュースを信じていないのかもしれない。

というよりは、イランの真意を検討しているのかもしれない。(BBCは7月4日14時14分にこのニュースを流した)

 西側諸国がイランに対して突きつけた条件は、イランがウラニュームの濃縮を停止することだった。イランがこれを受け入れた場合には、今後、イランとの長期に渡る核開発に関する話し合いが、スタートすることになっていた。

 それは核不拡散条約に基づいて、イランが核開発を進めるのであれば、西側諸国はイランが進める核研究に協力するし、核エネルギー施設を建設することを支援すると共に、核発電施設への燃料の供給を、約束するという内容だった。

それだけではなく、イランが西側の要求を受け入れた場合には、通商交渉も進めるし、米が停止していた、新型旅客機の輸出と、部品の供給も行うというものだった。

イランがウラニュームの濃縮を停止したことが確認されれば、国連は新たな制裁を行わないことになっているが、その期間は双方6週間だ。その間に明確な進展が、イランと西側諸国との間に生まれなければなるまい。

この6週間の間に、イランは西側に対し、誠意を持ってイランの核開発に関する進展状況を説明し、現在ある施設を公開しなければなるまい。そうでなければ、今回のイランの大決断は、水泡に帰する危険があるということを、イラン側は十分認識しておく必要があろう。

イランは決してアメリカを、侮るようなことがあってはなるまい。アメリカはそれほど、甘い国家ではないのだ。イランが小手先でアメリカをあしらい、時間稼ぎをするようなことがあれば、アメリカは間違いなくイランを攻撃することになる危険性が、いまだに取り除かれたわけではないのだから。