アルハヤート紙が6月10日に伝えたところによれば、2050年のイラン、トルコ、エジプトの人口増加予測は、以下の通りだ。
1:エジプト―1億6千万人。
2:トルコ―8千600万人。
3:イラン―億人。
当然のことながら、この数値を見て不安になるのは、2050年の段階でこれら三国の国内状況が、どうなっているかということだ。まず、第一に心配しなくてはならないのは、食料の確保の問題であろう。
第二には、就業率であろう。どれだけの人たちがまともな仕事に、就くことができるのか。その職場は十分にあるのかといった問題だ。
第三には、非常に悲観的な予測だが、教育や病院の施設、住宅事情などがどうなっているかだ。
トルコの上昇率は対応可能な範囲であろうし、イランは石油が出る限り、何とかなるだろうが、イランでは2050年の段階で、ガスがかろうじて残存している程度ではないのかという不安がある。
エジプトの場合は、石油、ガスといった、天然資源に期待できないことから、破滅的な状態になる可能性があろう。エジプトの場合は、他のアラブの国々や、欧米に移住するしか方法がないのではないか。
日本では2050年の段階で、人口が大幅に減っていることが予測されているが、これらの国々では、日本の逆で大幅な人口増加が、予測されているということだ。この状況に対する対応策は、現段階から考えたとしても、とても追いつかないのではないか。
そうなると、戦争という手段が人口調整に必要だ、という悪魔の選択が、現実味を帯びてくるかもしれない。中東地域はこれから40年が過ぎても、不安定な状態にあるのかもしれないということだ。