イラクが世界で一番大量の、石油を埋蔵しているということは、大分前にご紹介した。しかし、公式にはサウジアラビアが現在まで、世界一の埋蔵量を持つとして知られてきていた。
サウジアラビアの埋蔵量は、もう20年も前から、2600億バーレルと伝えられてきたが、その後も、減少する傾向にない。古いデータがそのまま今日でも使われ、信じ込まれている。
私の知人の石油専門家は「そんな馬鹿なことがあるはずがない、実際のサウジアラビアの埋蔵量は2000億バーレルを切っているはずだ。」と言っていた。他方、イラクの石油はこれまで、種々の理由でから開発に、あまり手が付けられておらず、実際には、世界で一番埋蔵量がある、と一部の人たちの間では、語られてきている。
イラク戦争前に、サダムフセイン大統領の親戚筋に当たる人と、親しく付き合っていた時期があるが、彼は「バグダッドの地下にも膨大な石油がある、イラクの石油埋蔵量は、2800億バーレル以上で世界一なのだ。」と語っていた。
今回、イラクのバルハム・サーレハ副首相は、「イラクの石油埋蔵量が3500億バーレルで、世界一だ。」と語った。この数字と並んで、サウジアラビアの石油埋蔵量は、2640億バーレルと記してあった。
バルハム・サーレハ副首相は、「この新しいイラクの石油埋蔵量の数値は、地地質学調査と地震計測によるものだ。」と説明している。
イラクのバルハム・サーレハ副首相が、この新しい数値を発表した裏には、一日も早く石油の本格的な開発を進めたい、という意図もあろうが、数値そのものには、信憑性があると見て良いのではないか。
イラクには膨大な石油の埋蔵量がある、といわれて久しいが、これまでクーデター、戦争、を繰り返してきたために、西側の石油会社が本格的に、イラクの石油開発に、取り組んでこれなかったからだ。
サウジアラビアと違って、その点からもイラクの石油には期待できよう。日本も早めに手を打っておく、必要があるのではないか。