シリアが50億ドル分の兵器輸入へ

2008年5月29日

 イスラエルの流した情報を、イランのプレスTV が転電した。シリアの兵器輸入に関する情報を伝えたのだ。その情報によると、シリアはロシアから最新型の、50億ドル分の兵器を、購入するということだ。

 このプレスTVの情報によれば、シリアのアハマド・ラティーブ空軍司令官が、521日にロシアを訪問し、兵器購入の契約を結んだということだ。

 その内要は、イスケンデル―E型地対地ミサイルに、シリアのアハマド・ラティーブ空軍司令官は、特に興味を示したということだ。

 シリアが購入する予定になっているのは、YK130M型機という練習機で、75機を購入する見込みだ。また最新型のMIG29MT爆撃機も、50機購入する予定だということだ。

なお、この爆撃機は空中給油無しに、3700キロを飛行でき、空中給油すれば、6700キロを飛ぶことが可能だといわれている。

シリアが50億ドル分の兵器を購入するに当たっては、種々の支払い条件があるだろうが、少ない額ではない。特に経済的に苦しいシリアにとっては、50億ドルの購入は大変なことであろう。

そこで想像したくなる二つのことがある。ひとつは、湾岸産油国がスポンサーになったか、あるいはイランがスポンサーになった可能性がある、ということだ。

もうひとつ考えられる可能性は、ロシアがソビエト時代華やかなりし頃と同じように、非常に緩やかな条件で、シリアに兵器を売るということだ。

もし、湾岸諸国のいずれかの国が、スポンサーとなったとすれば、その湾岸の国は、アメリカやイスラエルに相当反発を感じているのではないか、ということが想像できるし、イランがスポンサーであれば、イスラエルに対する圧力であろう。

もし、ロシアが低価格で、しかも緩い条件の支払いを提示しての、取り引きであるとすれば、ロシアがかつてソビエト時代に親しかった、アラブの国々に対する影響力を、回復していくことを、考えているということではないか。

そのいずれであるかは不明だが、シリアの今回の兵器購入は、興味を持って後続のニュースに注目するに値しよう。