イスラエルの流した情報を、イランのプレスTV が転電した。シリアの兵器輸入に関する情報を伝えたのだ。その情報によると、シリアはロシアから最新型の、50億ドル分の兵器を、購入するということだ。
このプレスTVの情報によれば、シリアのアハマド・ラティーブ空軍司令官が、5月21日にロシアを訪問し、兵器購入の契約を結んだということだ。
その内要は、イスケンデル―E型地対地ミサイルに、シリアのアハマド・ラティーブ空軍司令官は、特に興味を示したということだ。
シリアが購入する予定になっているのは、YaK―130M型機という練習機で、75機を購入する見込みだ。また最新型のMIG-29MT爆撃機も、50機購入する予定だということだ。
なお、この爆撃機は空中給油無しに、3700キロを飛行でき、空中給油すれば、6700キロを飛ぶことが可能だといわれている。
シリアが50億ドル分の兵器を購入するに当たっては、種々の支払い条件があるだろうが、少ない額ではない。特に経済的に苦しいシリアにとっては、50億ドルの購入は大変なことであろう。
そこで想像したくなる二つのことがある。ひとつは、湾岸産油国がスポンサーになったか、あるいはイランがスポンサーになった可能性がある、ということだ。
もうひとつ考えられる可能性は、ロシアがソビエト時代華やかなりし頃と同じように、非常に緩やかな条件で、シリアに兵器を売るということだ。
もし、湾岸諸国のいずれかの国が、スポンサーとなったとすれば、その湾岸の国は、アメリカやイスラエルに相当反発を感じているのではないか、ということが想像できるし、イランがスポンサーであれば、イスラエルに対する圧力であろう。
もし、ロシアが低価格で、しかも緩い条件の支払いを提示しての、取り引きであるとすれば、ロシアがかつてソビエト時代に親しかった、アラブの国々に対する影響力を、回復していくことを、考えているということではないか。
そのいずれであるかは不明だが、シリアの今回の兵器購入は、興味を持って後続のニュースに注目するに値しよう。