サウジアラビアのアブドッラー国王が、レバノン問題に関して発言をしている。その内容は、レバノンに対する外国の関与があり、レバノンは昨年11月以来、大統領不在の状態が続いていると指摘している。
これは、明言を避けてはいるものの、イランを指した発言であり、イランによるレバノンのヘズブラに対する支援が、レバノン国内政治の混乱を、巻き起こしているのだということだ。
ヘズブラについては、シリアもまた深く関与している。このため、レバノンのイラスム教徒は、シーア派イスラム教徒と、スンニー派イスラム教徒に割れていることに加え、キリスト教各派もまた、独自の政治路線に固執している。
このサウジアラビアのアブドッラー国王の発言が、今の時期に出てきたということは、サウジアラビアがイランによる、アラブ各国のシーア派に対する支援を、危険な動きとして認めたからであろう。
そのことはイラン、イラク、レバノンという、シーア派のアラブ諸国内連帯を、生み出す危険性もはらんでいると、サウジアラビアは見ているためだ。この発言の裏には、アメリカのイランに対する危険視が、大きく関ってもいよう。
したがって、アメリカがイランに対し、何らかの行動を起こすような場合、サウジアラビアもその動きを、支援することになる可能性が高くなってきた、ということの表れではないか。