ムバーラク大統領の仏独訪問

2008年4月22日

 エジプトのムバーラク大統領が、フランスとドイツを訪問することが発表された。アブルゲイト外相が語るところによれば、フランスを最初に訪問しサルコジ大統領と会談し、次いでドイツを訪問しメルケル首相と会談する予定だ。

 アブルゲイト外相の説明によれば、地中海周辺諸国の連帯問題をめぐる意見交換や、ムバーラク大統領によるパレスチナ、レバノン問題に関する説明がなされるようだ。パレスチナ問題については、まずハマースとイスラエルとの緊張緩和が、話し合いの中心となろうということだ。

 これが公式のエジプト政府による、ムバーラク大統領のフランス・ドイツ訪問に関する説明だが、もうひとつ説明されていない目的があるものと思われる。これまで、何度もうわさになり、最近ではそのことをマスコミで取り上げたために、ジャーナリストが投獄されるということが起こっている。

 その秘密の目的とは、ムバーラク大統領の健康診断と病気治療だ。これまでも、ドイツの病院で治療が行われてきたといわれている。今回はエジプト国内でパンの値上げをめぐるゼネストの後だけに、少し治療期間が長引くかもしれない。

 もし治療期間を長引かせることが出来たとすれば、それはエジプト国内問題が沈静化してきているということであろうが、同時にその場合には、ムバーラク大統領の健康問題が気にかかる。いずれにしても、判断が難しい状況ということのようだ。