エジプトがまたゼネスト・ムスリム同胞団も参加意向

2008年4月18日

   

 エジプトでは、4月6日に全国規模のゼネストが行われた。しかし、その実態は、全面的に警察と軍隊によって規制され、実際に本格的な衝突が起こったのは、マハッラの繊維工場ぐらいなものだった。

 大学生の一部が警察と衝突する場面もあったが、それほどのものには発展しなかった。学校や会社は休日とするところが出、あるいは、自主的に抗議の意味を含めて休む者もいた。

 そう考えると、4月のゼネストは案外、広範な広がりを示していたのであろう。このゼネストで重要なことは、全国にゼネスト決行が伝わったこと。そして、多くが参加不参加を問わず、政府に対する直接間接の、抗議の立場をとったことだった。

 また、この4月6日のゼネストの後も、各地で散発的にストやデモが行われていることも、見逃すわけには行くまい。

 さて、今度行われる5月4日に予定されているゼネストは、ムバーラク大統領の80歳の誕生日に合わせたものだ。当然予測されることは、4月のゼネストよりも、盛り上がるということだ。

 こうした国民の反体制の機運が、盛り上がっているなかで、現在問われているのは、エジプト最大の野党、反体制集団であるムスリム同胞団が、ゼネストに加わるか否かだ。もし、ゼネストに参加しなければ、国民は失望し、ムスリム同胞団に対する信頼は、低下するであろう。だからといってゼネストに参加すれば、エジプト政府から相当の圧力を、加えられることになろう。

 これまで地方選挙をめぐり、多くの幹部メンバーが逮捕され、投獄されているが、今度のゼネストに参加すれば、ほとんどの幹部が逮捕され、投獄されることになろうし、彼らの刑期は10年前後の長きに渡ることが予想される。

 それにもかかわらず、ムスリム同胞団はどうやら、5月のゼネストに参加する意向のようだ。そのことは、ムスリム同胞団が本格的に、ムバーラク体制に挑戦するということではないのか。そうであるとすればムバーラク体制側も、真剣に対応せざるを得ないことであろう。ムスリム同胞団が勝利するのか、ムバーラク体制が勝利するのか、あるいは衝突を避ける妥協案、回避案が出てくるのか。5月4日はすぐそこまで近づいている。