カタールの首都ドーハで、「民主化・開発・自由貿易」をテーマとする国際会議が開催されることになり、イスラエルからはリブニ外相が、4月13日カタール入りした。
カタールに到着したリブニ外相を、どうカタール政府は受け入れるのかと関心を持っていたところ、カタールのシェイク・ハマド・ビン・アール・サーニ首長は、にこやかに微笑みながら、リブニ外相と握手を交わしている。
オマーンのユーセフ・ビン・アラーウイ外相も同じように、にこやかにリブニ外相と握手している写真が報じられている。
つまり、カタールのドーハで開催された会議においては、全くイスラエルに対する敵意は表れていないばかりか、大分前から親しい国同士、というイメージさえ感じさせる。
リブニ外相の参加を嫌ったレバノンやイランは、会議をボイコットしているが、ほとんどのアラブ諸国は参加している模様だ。つまり、実質的にはもう、アラブとイスラエルとの間には、敵対の壁は存在しなくなった、ということであろうか。
イスラエルのリブニ外相は、この会議のなかでも、イラン包囲網構築の働きかけをしているようだが、それは必ずしも得策ではあるまい。湾岸諸国は、もしイランとアメリカ・イスラエルとの間で戦争が始まれば、一番被害をこうむるのは、自国であることを知っているからだ。
そうであるとすれば、アラブの客を歓迎するマナーに従って、リブニ外相もにこやかに外交活動をして、帰国すべきであろう。場所をわきまえずに、がむしゃらに反イランを叫べば、アラブ諸国はイスラエル(ユダヤ人)のマナーの悪さを笑うだろう。
いずれにせよ、こうしたアラブとイスラエルとの交流の光景は、隔世の感を与える。