アメリカはまだイランを攻撃したがっている?

2008年4月14日

 アメリカはいまだに、イランを攻撃したがっているようだ。もちろん、アメリカ政府内部にも、戦争反対派がいるようだが、彼らが政府内部で、明確な優位には立っていないようだ。

 それは、イランのイラクに対する関与が、問題なのであろう。もちろん、それ以外にも幾つもの問題が、アメリカとイランとの間にはあるのだが。イラクの石油やガス資源に対する影響力獲得、イランの核兵器開発に対する疑惑などがそれらだ。

 しかし、当面アメリカが一番早く解決したい問題は、イラク国内の安定化であろう。それは、イラクのためというよりは、アメリカ軍が安全な状態で、イラク国内に駐留できる状態になることを意味している。

そして、アメリカ政府はアメリカ国民に対して、イラクの占領は成功している、復興も進んでいる。したがって、アメリカ軍の兵力削減も可能だ、という説明をしたいのであろう。

しかし、これまでもお伝えしたように、最近ではイラクの首都バグダッドのアメリカ大使館や政府機関がある、グリーン・ゾーンですら頻繁に、敵側からミサイルを撃ち込まれるようになってきている。

そのミサイルを発射しているアメリカの敵は、どうもイランで訓練を受けており、発射されるミサイルも、イランが供与したものだということだ。

したがって、こうしたイラクの反政府勢力の攻撃を止めるためには、どうしてもイランに懲罰を与えなければならない、ということになるようだ。

先にイラクの南部都市バスラで起こった、イラク軍とサドル師がリードするマハデイ軍との戦いでも、イランが供与した武器兵器が、大量に使われていたためにイラク軍は苦戦を強いられることになった。

結果的に、イラク政府はマハデイ軍との停戦の仲介を、イラン政府に対して、依頼せざるを得なかった。

そのことは、次第にイラク政府もアメリカに対する依存だけではなく、イラン政府に対する依存の度を、増していかなければならなくなるのかもしれないということを意味している。

イラン政府はアハマド・ネジャド大統領の過激な発言とは別に、非常に微妙な動きをしており、部分的ではあれ、アメリカはイランの動きに、翻弄されているようだ。

その状態から抜け出すためには、アメリカが武力に頼ることもありうる、ということではないか。イランとアメリカとの関係は、いまだに、最悪の事態に至る可能性があることを、頭に入れておく必要があるのではないか。