エジプトで4月6日の日曜日に、ゼネ・ストがあるという情報があったが、結果的には失敗に終わったようだ。一部に動きがあったが、結果は40人が逮捕され、そのなかにはイスラミストのジャーナリス、トムハンマド・アブドルコッド-スや現在、活動が禁止されている労働党の、マグデイ・フセインが含まれていた。
ストが起こることを懸念したエジプト国民は、学校や大学を休んだ者が多く、週の始めの日曜日にも拘らず、通りは車の混雑が無かったということだ。大学を休んだ学生のなかには、自宅でのスト参加組と、トラブルに巻き込まれることを、恐れた人たちがいたようだ。
カイロのデモでは、よく集会の中心地となるタハリール広場にも、人は集まらなかったと伝えられている。
こう述べると、ゼネ・ストは完全な失敗、ということになるのだが、アメリカ大学の教授によれば、ストが起こるということが、エジプト国内に広まっただけでも、驚くべきことだというのだ。それは、今回のゼネ・ストには、中心になる組織が存在しなかったからだ。
エジプトで最大の反政府組織であるムスリム同胞団は、ゼネ・ストは支持するものの、参加はしないと事前に発表していた。
ストが予測されていた工場には、前夜に労働者の服装をした警察が入り込み、ストを阻止したということだ。
今回、誰が呼びかけたのかが不明のままに、全国規模でゼネ・ストが起きそうになったのは、これまでも、各地で物価の急激な値上がりに対する、抗議行動が行われてきていたからであろう。(一時期活発だったキファーヤ運動も、26県で座り込みデモを行ったと発表している)
つまり、今回のゼネ・スト不発は、政府の物価高に対する対応が遅れれば、再度起こりうる自然発生的なものであろう。そのことは、政府にとっては最も危険な兆候であろう。古い映画「カーツーム」を想い起こさせる、不気味さが、エジプト国内には広がっているということだ。