ムスリム同胞団が日曜日にゼネスト呼びかけ

2008年4月 5日

 エジプトでは、物価の値上がりが庶民の生活に、大きな負担となっているようだ。なかでも基礎中の基礎食品たる、パンの値上げが庶民の生活に大きく響いている。

 エジプトでは、貧民層の人たちは、政府の補助金で非常に安い、パンが買えることから、何とか生命を維持している、いう感じなのだが、小麦粉の世界的な値上がりもあり、エジプト政府は遂にそのパンの値上げを、断行したから大変だ。

 肉や野菜、食用油、紅茶といった、いわば基礎食品は、軒並みに値上がりしている。そのため、庶民の不満は相当高まっているようだ。何かちょっとしたきっかけがあれば、この庶民の不満は、大暴発を起こすということであろう。

 こうした社会状況を見て取った、反政府のムスリム同胞団は、来週の日曜日、つまり明日だが、全国的なストを呼びかけた。なかでも、学生や労働者に対して、スト参加を呼びかけている。

 近く予定されている地方議会選挙で、ムスリム同胞団のメンバーが、大量に逮捕されていることに対する、いわば、ムスリム同胞団支持者の多いことを、政府に対して示す、示威行動ということであろう。

ムスリム同胞団にすれば、物価の値上がりが、庶民の間に強い不満を抱かせている、いまこそチャンスであり、ムスリム同胞団のメンバー以外の、エジプト国民を反政府の行動に、巻き込むことが出来ると読んでいるのであろう。

もし、ムスリム同胞団がもくろんでいるような、庶民を巻き込んだ大規模なデモに繋がれば、政府は対応に苦慮することになろう。事態がムスリム同胞団に思惑通りに推移すれば、当然の結果として、大量の逮捕者が出るであろうし、死傷者も出るかもしれない。

それは欧米政府の間に、ムバーラク体制に対する、非難が高まることに繋がろうから、エジプト政府は非常に苦しい立場に追い込まれる可能性がある、ということだ。ゼネストは明日起こる。その結果がすぐに伝わってこよう。