エジプトがガザの負傷者受け入れ

2008年3月 3日

 イスラエルのエルサレムポストが伝えるところによれば、エジプト政府はガザでイスラエルの攻撃を受け負傷したパレスチナ人を受け入れる決定をした。More...

 ガザとエジプトとの出入り口であるラファには、27台の救急車が送り込まれ、シナイ半島の病院やエジプト本土の病院に、負傷者たちが運ばれているということだ。その数は150人から200人に上ると見られるが、今後増加するものと思われる。

 この動きは、当然のことながら、アラブのテレビ各局がカバーするであろう。そうなると、マハムード・アッバース議長はイスラエルとの内通者、という汚名を着せられる可能性が高くなろう。

 イスラエルが、場合によってはマハムード・アッバース議長とその一派に、ガザを取り戻してやろうと思ったことが、逆効果に働く可能性が出てきた、ということだ。

 どう見ても、ガザで死亡した人たちとその家族、負傷した人たちとその家族の様子が、テレビに映し出されれば、イスラエルのイメージはアラブ世界ばかりではなく、世界のイスラム教徒に強い影響を与えようし、それ以外の人たちにも少なからぬ影響を及ぼそう。

 今回のイスラエル軍のガザ侵攻は、結果的に、イスラエルとマハムード・アッバース議長の敗北ということになるのではないのか。そして勝者はハマースであり、エジプトのムバーラク大統領ということになろう。