アッバース体制内部混乱で、イエメンの合意は無駄に

2008年3月26日

 何度も失敗に終わりかけたファタハとハマースの話し合いが、どうにか合意に辿り着けたと思っていたら、マハムード・アッバース議長の怒りで、反故になってしまったようだ。

 イエメンのアリーサーレハ大統領の仲介で進められていた、パレスチナの二大勢力ファタハとハマースの交渉は、合意され、サインされたのだが、その前に、マハムード・アッバイス議長にファタハの代表が確認を取らなかったために、マハムード・アッバース議長は怒り、合意を認めなかったというのだ。

 もちろん、ファタハの代表は事前に、マハムード・アッバース議長の確認を取ろうとしたのだが、マハムード・アッバース議長はチェイニー副大統領の接待で多忙であったために、連絡がつかなかったということだ。  しかし、どうも話はそこに原因があるとは思えない。マハムード・アッバース議長は、ハマースがガザを明け渡さない限り、ハマースを認めないと常日頃口にしていたのだ。そうであるとすれば、ファタハの代表がよほどの妥協をハマース側から引き出さない限り、合意などしなかったはずだ。

 マハムード・アッバース議長は、アメリカを始めとする援助国からの金欲しさと、イスラエルとの和平合意を望んでいたために、ファタハ内部に混乱があったのだろう、という推測がアラブ・マスコミには出ている。  イスラエル側はマハムード・アッバース議長に対し、ハマースが完全に暴力による抵抗運動を放棄しない限り、ファタハとハマースのパワー・シェアリングによるパレスチナ政府は、交渉相手としては認めない、と言っている。つまり、ハマースが現在の政治的スタンを維持したままで、パレスチナ自治政府に加わるのであれば、イスラエルは交渉しないということだ。

 それにも拘らず、ファタハの代表が合意したということは、ファタハ内部、つまり、マハムード・アッバース議長のグループ内が、組織として成り立っていない、ということではないのか。 マハムード・アッバース議長の物欲が、ファタハ幹部の間にも広がり、混乱が組織内部に広がっており、ファタハ内部組織では、各々が自分の利益のために、勝手な動きをしているということであろう。

そもそも、この情報を伝えたアラブのマスコミは、ヨルダン・タイムズであり、マハムード・アッバース議長を擁護する側なのだ。そこまでマハムード・アッバース体制には、問題が広がっているということであり、ヨルダン・タイムズの批判は、そのような状況にあきれてのものではないのか。