マケイン・チェイニーがイラン攻撃ほのめかす

2008年3月22日

 ほぼ同じ時期に、中東を訪問したアメリカの二人の要人が、そろってアメリカによるイラン攻撃を、ほのめかす発言をしている。その二人とは、チェイニー副大統領と、共和党の大統領候補であるマケイン氏だ。

 チェイニー副大統領は、イランに対する攻撃の可能性について、イラクのアメリカ軍を訪問した際に「イランは非常に高いリストに位置している=イランは攻撃対象として、優先順位の最上位にある。」と語っている。

また「イランは2003年に核兵器の開発を止めたという報告を、アメリカの情報機関は出したが、その後、再開しているか否かは確認していない。」と発言し、イランが核兵器開発を再開している、可能性をほのめかしてもいる。  他方、共和党の大統領候補であるマケイン氏は、直接的な言及は避けたものの、「最終的にアメリカは、イランが核兵器を所有するようになることを、放置できない。」と語っている。両者のイランに対する不信の発言の裏には、イランが長距離ミサイルを保有していることがあろう。つまり核弾頭を運搬する手段を、イランは所持っているということだ。

 チェイニー副大統領は、イランに対し、最大級の警告を発したということであろうし、マケイン氏はイランがアルカーイダの戦闘員を訓練しているとも語り(後にイランで軍事訓練を受けているのは、イスラム原理主義者たちであり、アルカーイダではないと間違いを認めてはいるが)、イランの危険性を強調していることに違いはない。  チェイニー副大統領は、現在、アメリカ政府は多忙だが、ドイツ、イギリス、イスラエルなどの情報機関が、イランの核兵器開発について調べているところだ、とも語っている。

 つまり、チェイニー副大統領は、戦争のドラムを叩いているということだ。アメリカがイランを攻撃することになれば、事前に、トルコ、サウジアラビア、オマーン、イスラエルなどとの協力が必要であろうが、マケイン氏やチェイニー副大統領の訪問先は、ほぼこれらの国々をカバーしている。


 この二人の要人の発言が、非常にデリケートなものであることを、記憶にとどめておく必要がありそうだ。