クウエイト戦略家がイスラエルのイラン攻撃支持

2008年3月12日

 イスラエルのエルサレム・ポストが伝えるところによれば、クウエイトの戦略家が、イスラエルによるイランの核施設攻撃を支持する、発言をしたということだ。

 このクウエイトの戦略家は、サーミー・アルファジュル氏で、彼は元クウエイト政府の顧問であった人物だ。このニュースの内容は、彼がアッシヤーサ紙とのインタビュービューに答えたものだ。彼は現在、民間のクウエイト戦略研究所の代表者を務めている。

 彼曰く「湾岸諸国は皆イランに対し、イスラエルが軍事攻撃をかけることを望んでいる。アメリカではなく、イスラエルが攻撃するほうが、湾岸アラブ諸国にとっては、面子を保ちやすいからだ。」ということだ。

 理由は、イランが地域での覇権を求めており、レバノン問題、パレスチナ問題、イラク問題に介入し、事態を複雑化させているからだ。また、イランはスンニー派とシーア派の対立を、あおってもいるからだということだ。

 GCC諸国がイランの核に対して、疑問を抱いているのは、GCCがイランに対して、核の協力を申し入れたのを、イラン政府が断ったからだ、ということだ。サウジアラビア、クウエイト、オマーン、カタール、バハレーン、アラブ首長国連邦、オマーンも、核エネルギーの活用を望んでいる。

湾岸アラブ諸国は、公式にはイランとアメリカの対立が、平和的に解決することを望んでいるし、アメリカに対しては、イラン攻撃のために、自国領土を使わせない、と言っているが、この元クウエイト政府の顧問が、何故この時期に、このような内容の発言をしたのか、よく考えてみる必要があろう。

もし、イランが核兵器を持つようなことになれば、GCC諸国も同様のことを考えることになろう。資金に物を言わせ、湾岸アラブ諸国が外国から核兵器を購入することは、意外に容易なことであろう。核兵器の拡散を防ぐことを、真剣に考える時期が来たようだ。