ハマースは数日で西岸を征服できる

2008年2月28日

イスラエルの中央司令部ガデイ・シャムニ将軍は、ペレス大統領に対し、西岸の状況説明を行った。 そのなかで同将軍はハマースが西岸における影響力を拡大していると語り、数日間で西岸地区を制圧できると語った。

現在では、西岸地区の病院、幼稚園、学校から大学、そしてモスクまでもが、ハマースの影響下に置かれている、と説明している。 西岸のナブルスで、イスラエルの治安機関は、カッサーム・ロケットと、その発射台を捕獲しているということだ。

そればかりか、イスラエルの治安機関は、西岸地区内でロケットが製造されていることを、突き止めてもいる。 つまり、ハマースは西岸地区で、イスラエル攻撃用のロケットを、製造できる施設を持っているということだ。

しかし、パレスチナ自治政府は、こうしたハマースの動きを、厳しく取り締まってはいない。これまで、イスラエルがハマースのロケット攻撃を、西岸地区から受けずにすんできたのは、イスラエルの治安機関が、ハマースの攻撃を阻止するために、最大限の努力をしてきた成果だと語っている。 このガデイ・シャムニ将軍の、ペレス大統領に対する説明は、何を意味しているのか。

多分に、治安機関の活躍ぶりを誇張している部分もあるだろうが、他方では、パレスチナ自治政府が、果たすべき役割をまじめに果たしていないことを語り、その反面、ハマースは西岸住民に対するサービスを徹底しており、西岸住民の支持を拡大しているということだ。 したがって、イスラエルの治安機関は、パレスチナ自治政府をまともな交渉相手とは、考えていないということであろう。

そうなると、今後に予想されるのは、イスラエルによる西岸地区での、徹底的なハマース対策とられるか、あるいは、段階的にハマースとの交渉のきっかけを、イスラエルは作っていく、ということではないか。後者のほうが、理にかなっていると思えるのだが。