イスラエルが懸念するガザ・ハマースの動き

2008年2月 6日

 エジプト・ガザのボーダー破壊に関して、これまで何本か書いてきたが、イスラエルにとっては、ガザ・エジプトのボーダーが破壊されたという出来事は、私とは異なり、評論家的なことは言っていられない、直接的脅威であり不安になっているようだ。

 イスラエルのエルサレム・ポストには、興味深いイスラエル人の考えが紹介されていたので、ここにポイントだけを並べてみる。

「ミニ国家ガザ」

:エジプトからガザに物資が入りやすくなった

:ボーダーが開かれて1億3000万ドルもエジプトがパレスチナ人に売った

:ガザ地区は国家と同じようになった

:ガザはエジプトに対し国家的に準ずる関係になった

:ハマースはイスラエルとの関係を断ちたいと思っている

:ガザの住民は使用通貨をイスラエルの通貨シェケルからアラブ通貨に替えたいと思っている

:ガザの住民はエジプトとの国境を開いて通商もしたいと思っている

:ガザとエジトとの国境開放はムスリム同胞団の夢だった

:1月27日エジプトのムスリム同胞団の議員がガザを訪問した

:ダマスカに居住するハマースのミシュアルはサウジ政府に招待された

:アッバースはガザをコントロールしたいと願っている

:ガザ国境の開放は歴史的出来事

:ファタハによるパレスチナ政治支配は終わった

:西岸のファタハはIDF(イスラエル国防軍)がいるからハマースに対し優位に立っているに過ぎない

:ハマースは自由に武器調達できるようになった

:ハマースはよく訓練されゲリラではなく軍隊に成長している

:IDFはガザに危険で入り難くなったし、ハマースを潰すこともできなくなった

:ハマースはカチューシャ・ミサイルでアシュケロンやアシュドッドを攻撃できる

:エジプトはガザの擁護国家になった

:エジプトは物資を提供し水電力石油を供給できる

:エジプトはガザの窮状を放置しなくなった

:エジプト・イスラエル関係が複雑になった

:イスラエルは注意深くハマースを攻撃しなければならなくなった

:イスラエルはガザに対する責任なくなったが監視が出来なくなった

 さてこう判断しているイスラエルが、今後どうガザとエジプトに対応していくのか興味深い。賢い読者の皆さんには、この要点だけを読んでも、なんとなくイスラエルの本音が想像できるのではないか。