既にこの欄で紹介したが、ブッシュ大統領がイランに対する圧力(軍事攻撃も念頭に入れた)と、湾岸各国の民主化を叫んで飛び回った影で、フランスのサルコジ大統領はアラブ首長国連邦(UAE)との間で、アブダビに海軍基地を設立することを合意している。 日本では、このニュースはほとんど重視されていないが、とんでもない出来事なのだ。そもそも、アラブ首長国連邦はイギリスの権益下にあったところであり、いまだにイギリスの影響力は絶大なのだ。
このためか、湾岸アラブ諸国のなかにあって、アメリカがいまだに軍事基地を有していないのは、アラブ首長国連邦だけだ。クウエイトはイラク戦争の前線補給基地であり、バハレーンは以前からアメリカ海軍の基地であり、サウジアラビアはいまだにアメリカ軍の基地がある。 カタールにもアメリカ軍の本格的な基地がある。そしてアラビア海、インド洋側に位置するオマーンも、アメリカ海軍に対し、港湾の利用と補給の便宜を図っている。
つまり、アメリカはイギリスに対する遠慮からか、アラブ首長国連邦に対してだけは、軍事基地を持とうとしてこなかったようだ。 そのアラブ首長国連邦に、突然フランスのサルコジ大統領が訪問し、海軍基地を建設し、恒久基地化を図るというのだ。言ってみれば、イギリスの権益域内に、フランスが土足で上がり込んだも、同然の行為であろう。
イギリスのBBCは「フランスがシリアスな動きを湾岸でしている」と題して、このニュースを伝えている。そして、フランスはこのことにより、アラブ首長国連邦に対し、兵器の売込みをしていく、と予測しているのだ。 しかし、ヨルダン・タイムズはもっと直接的な表現で、このニュースを伝え、核心部分を突いているのだ。同紙は「フランスは石油輸送ルートに戦略拠点」と伝えているのだ。(ヨルダンはイギリスとは特別に深い関係にある国だ)
確かにそのとおりだ、フランスがアラブ首長国連邦に、海軍基地を建設することは、イギリスとフランスのケンカのように思えるのだが、それだけではない。フランスはアラブ首長国連邦との今回の合意で、ペルシャ湾の出口ホルムズ海峡を、押さえたということだ。 そのことは、湾岸諸国から日本に送られる石油、ガスについても、いまフランスの支配下に落ちたということだ。一旦、何らかの不測の事態が発生した場合、フランスはどのような口実をつけてでも、ホルムズ海峡の航行に対し、条件を付けられるようになった、ということだ。
そうなったということは、今後、日本がフランスとの各種の交渉の上で、不利な立場に立たされた、ということなのだが、日本政府は今後、どう対応するつもりなのだろうか。失礼ながらそれ以前に、日本政府はこの事態の深刻さに、気が付いているのだろうか。
このためか、湾岸アラブ諸国のなかにあって、アメリカがいまだに軍事基地を有していないのは、アラブ首長国連邦だけだ。クウエイトはイラク戦争の前線補給基地であり、バハレーンは以前からアメリカ海軍の基地であり、サウジアラビアはいまだにアメリカ軍の基地がある。 カタールにもアメリカ軍の本格的な基地がある。そしてアラビア海、インド洋側に位置するオマーンも、アメリカ海軍に対し、港湾の利用と補給の便宜を図っている。
つまり、アメリカはイギリスに対する遠慮からか、アラブ首長国連邦に対してだけは、軍事基地を持とうとしてこなかったようだ。 そのアラブ首長国連邦に、突然フランスのサルコジ大統領が訪問し、海軍基地を建設し、恒久基地化を図るというのだ。言ってみれば、イギリスの権益域内に、フランスが土足で上がり込んだも、同然の行為であろう。
イギリスのBBCは「フランスがシリアスな動きを湾岸でしている」と題して、このニュースを伝えている。そして、フランスはこのことにより、アラブ首長国連邦に対し、兵器の売込みをしていく、と予測しているのだ。 しかし、ヨルダン・タイムズはもっと直接的な表現で、このニュースを伝え、核心部分を突いているのだ。同紙は「フランスは石油輸送ルートに戦略拠点」と伝えているのだ。(ヨルダンはイギリスとは特別に深い関係にある国だ)
確かにそのとおりだ、フランスがアラブ首長国連邦に、海軍基地を建設することは、イギリスとフランスのケンカのように思えるのだが、それだけではない。フランスはアラブ首長国連邦との今回の合意で、ペルシャ湾の出口ホルムズ海峡を、押さえたということだ。 そのことは、湾岸諸国から日本に送られる石油、ガスについても、いまフランスの支配下に落ちたということだ。一旦、何らかの不測の事態が発生した場合、フランスはどのような口実をつけてでも、ホルムズ海峡の航行に対し、条件を付けられるようになった、ということだ。
そうなったということは、今後、日本がフランスとの各種の交渉の上で、不利な立場に立たされた、ということなのだが、日本政府は今後、どう対応するつもりなのだろうか。失礼ながらそれ以前に、日本政府はこの事態の深刻さに、気が付いているのだろうか。