エジプトと共通の話題を見出したA・ネジャド

2008年1月23日

 これまで疎遠だったエジプトとイランの関係が、修復しつつあるのではないか、ということをお伝えしたが、どうやら、それが本格的になり始めたのではないか、と思われる。

 イランのアハマド・ネジャド大統領が、エジプトのムバーラク大統領に電話をして、パレスチナ問題を話しあったということだ。もちろん、話題はガザのパレスチナ人の窮状を、どう救うかということだった。

 この問題は、ムバーラク大統領にとって、自分の政権を維持していくことに、直結しているだけに、アハマド・ネジャド大統領との間で協力が出来れば、それに越したことはない、と思ったことであろう。

 ガザの住民が電力、食料、水の供給を、イスラエルに止められ、餓死しかねない状態にあるからだ。この問題を解決するには、出来るだけ多くの国々が、エジプトと同じ立場に立つことが必要であり、イランも賛同してくれれば、それに越したことはあるまい。

 まさに、アハマド・ネジャド大統領にしてみれば、これまで開かなかった、エジプトとの外交修復の扉の鍵に、ガザ問題がなったということであろう。もちろん、イランとエジプトの大統領が直接話し合ったのだから、ガザの問題だけではなく、両国関係についても、話題が広がったものと思われる。

 トルコとイラン関係は大分前から良好であり、トルコとエジプト関係も悪くない、そして今度は、エジプトとイランの関係が修復することになれば、近い将来、トルコ。イラン。エジプトの三首脳が一堂に会して話し合う、という場面が出てくるかもしれない。

 それは、イスラエルにとっては、すこぶる不安な動きであろう。その不安を取り去ってくれるのは、トルコの存在であろう。トルコとイスラエルとの関係は、非常に強いからだ。この新しい一連の動きが、中東に全く新しい状況を生み出すかもしれない。