トルコの核開発にイラン・米が前向き

2008年1月22日

 最近アメリカが、イランの核開発に怒利をあらわにしているが、エジプトもアラブ首長国連邦も、リビアもアルジェリアも、サウジアラビアも核開発の意向を示し、またある国は、既に核施設建設に基本的な合意をし始めている。  

 そうした流れのなかにあって、トルコもその例外ではない。トルコも核施設を建設する方針を決めた。面白いことに、このトルコの核開発について、対立しあっているアメリカとイランが、共に賛成の立場を示しているのだ。

 イランはトルコのフッリエト紙の記事を引用し「トルコが核濃縮のセンターになることは戦略的に重要であり、トルコと世界にとって有益なことだ」という内容のトルコの核開発に関する記事を紹介している。  そして、ワシントンも勧めるならば、NATOのメンバー国であるトルコが、ムスリム諸国に対する核燃料の供給国になることはいことだ、と語っているとも紹介している。

 もし、トルコが核の濃縮を進め、核燃料の供給国になるのであれば、それはアメリカにとっても、地域諸国にとってもいいことだ、なぜならば、これらの国々も、トルコから核燃料を入手できるようになるからだ。  トルコのフッリエト紙の記事を引用した形ではあるが、これは明らかにイランがトルコの核開発を歓迎しているのだ、ということが分かろう。

 トルコのザマン新聞は、アメリカもまた、トルコがルールを守るなかで、核エネルギー開発を進めることを奨励している、とアメリカの立場を紹介している。  そのザマン紙の記事によれば、在トルコ・アメリカ大使館の広報担当官は、トルコがGNEPのメンバーになるよう招待した、そのメンバーになることによる利益も説明した、と語ったということだ。

 これは一体何を意味しているのだろうか。多分にトルコが中東地域における、核燃料の供給国になることを、アメリカは望んでいるのではないか。そしてアメリカ政府は応分の協力を、トルコに対して行う、ということではないか。  もしそうであるとすれば、現在のロシアが絶対的優先状況にある、核エネルギーの供給に、トルコが加わることによって、状況に変化が生まれるということかもしれない。

 それは、アメリカの代わりに、トルコが核濃縮を進めるといいうことであり、イランもトルコから核燃料を供給される、ということで妥協点を探る、ということではないか。これはあくまでも推測に過ぎないが。