新年にふさわしい明るいニュース

2008年1月 1日

「中東和平は永遠に解決されない」と言う専門家が少なくない。しかし、今年は中東和平の一部が、動き出す気配がある。

 それは、シリアとイスラエルの和平だが、ここに来て、イスラエルからもアメリカからも、シリア・イスラエルの和平が進む、という見通しのニュースが増えてきている。

 年末にシリアを訪問した、アレン・スペクター氏を代表とするアメリカの代表団も、イスラエルとの和平に、アメリカが全面的に協力することを明かしている。

 シリアとイスラエルの和平が、動き出しそうな気配が見え始めたのは、フランスのシリアへの接近からであろうか。サルコジ氏がフランスの大統領に就任して以来、フランスはシリアとイスラエルの和平実現に、真剣に取り組むようになった。

 一説によれば、サルコジ大統領がシリアに積極的に働きかけているのは、それなりの理由があるというのだ。彼が内相時代にシリアの治安担当最高責任者であったショウカト氏が、何度もフランスを訪問しており、両者が親しい関係になったのだというのだ。

 ショウカト氏はバッシャール・アサド大統領の義兄弟であり、シリアのナンバー2といわれている。したがって、サルコジ大統領は彼との会話の中で、シリアが和平に向けて、確実に動きだしたい意向があることを、つかんだのであろう。

 シリアに対しては、これでトルコ、フランス、アメリカが、イスラエルとの和平実現に協力する態勢を、採り始めたということであろう。残る作業は、シリアとイランとを切り離し、シリアを穏健派の側に引き込むことであろう。

 その条件は、シリアにどれだけこれらの国々が、経済的メリットを与えられるか、にかかっているのではないか。つまり、シリアとイスラエルとの和平は、秒読み段階に入った、と言っても過言ではないのではないか。