サウジの宗教者集団インフレ対策採れと政府に提言

2007年12月18日

 サウジアラビアのナーセルオマル氏をはじめとする19人からなる、著名な宗教学者集団が、サウジアラビア政府に対して、インフレ対策を早急に採るよう提言した。

 もし、政府の対応が遅れれば、大衆は政府と王家に対して、怒りを爆発させる危険があるというのだ。

 サウジアラビアの通貨リヤルは、ドルとペッグしているため、ドルの下落がリヤルの下落につながり、10月のインフレ率は5・35パーセントを記録したということだ。このインフレ率は過去10年で、最高の率に達しているということだ。

 結果的に、基礎消費物資である輸入食料品が、値上がりしているのだ。このため、宗教者集団はサービスに対する税を撤廃し、貧困家庭には、カネを直接配れとまで言っている。

 サウジアラビアは過去数年の間で、石油価格の高騰から、国家収入は何倍にも増えているにもかかわらず、こうした現象に大衆は苦しんでいるのだ。この国も、世界の例外ではなく、貧富の差が大幅に広がっているのだ。

 サウジアラビア政府は産油国の立場から、自国通貨とドルとのペッグを維持してきているが、近い将来、ドルとリヤルのペッグを終わらせなければならなくなろう。

そのことは、ドルの国際基軸通貨としての立場を、大きく低下させることにつながることが予想される。