日本がイラクに貢献すべきこと

2007年11月10日

 サダム・フセイン大統領の時代に建設された、巨大なダムがイラクにはある。その名もサダム・ダム(サッド・サッダーム)だ。125億立方メートルの貯水能力を持ち3・2キロの幅のアースフィル・ダムだ。

 アメリカの調査によれば、このダムに決壊の危険が迫っているということだ。もしそんなことになれば、膨大な数の犠牲者が出ることが予想される。それはあたかも、ノアの箱舟の話を思い起こさせる規模になるだろう。

 アメリカの調査では、ダムが決壊した場合、2時間以内に110メートルの大波がモースルの街を襲い、70万人の市民が犠牲になろうというものだ。

バグダッドにも5時間で水が押し寄せ、5メートルの高波に襲われるということだ。

 ダムが決壊した場合、イラクは洪水で大量の死者を出すと共に、その後の水不足で更なる被害が出ることになろう。

 しかし、イラク国民と政府は、アメリカの警告を聞き入れようとしていない。「ダムは安全だ、問題は無い。」と言い張っているのだ。

無理も無かろう、イラク戦争以来、アメリカはイラク国内で破壊を進めるばかりで、何一つ復興していないからだ。イラク国民と政府は、「アメリカが新たなビジネスチャンスを作っているのだ。」ぐらいに受け止めているのであろう。

 問題は誰か公平な立場にある者が、このダムの調査をすることだ。日本はダムの技術においては、世界でもトップ・クラスであろう。日本がこのダムの安全度を調査してはどうか。

 ただし、日本政府と企業に人類の平和と安全に対する責任感と、それを実行するだけの、度胸があればの話だが。