ブッシュ政権は最後の1年になり、ブッシュ大統領は何か彼の経歴に、輝かしい勲章を欲しい、と思い始めたのであろうか。出来もしない中東和平という大問題に手を出し、ライス国務長官をして中東の渡り鳥にさせている。
そして、ついには11月の後半に中東和平会議を実施し、パレスチナ国家設立への確たる成果を挙げたい、と望んでいるようだ。それも彼の言う、「神の命令」なのであろうか。
パレスチナとイスラエルとの平和構築問題は、これまで何人ものアメリカの大統領が、チャレンジしては失敗してきた案件だ。ブッシュ大統領が「神の命令」、「神の声」を聞いたからといって、そう簡単に片付くものではない。
パレスチナ難民の帰還は、イスラエルにとって受け入れられないことであると同時に、パレスチナ政府にとっても、その対応が不可能な問題だ。しかし、だからといって、パレスチナ政府が帰還権を放棄すれば、たちまちにしてパレスチナ人の支持を失ってしまう。
エルサレムの問題も同様で、絶対に双方が譲れない問題であろう。それは、イスラエルのユダヤ人にとっても、パレスチナ人にとっても、エルサレムが聖地だからだ。その権利を放棄することは、ユダヤ人にとっては、自己の存在を否定することになるし、パレスチナ人にとっては、世界中のイスラム教徒を、裏切ることになるからだ。
アメリカはいま、イスラエル側に妥協をさせ、エルサレムを二分して、パレスチナとイスラエルとに与えよう、としているのではないのか。同時に、パレスチナ領土にあるイスラエルの入植地を、放棄しろといっているのではないのか。もちろん、返還する土地はすべての入植地ではないことから、たとえ一部の入植地がパレスチナ側に返還されたからといって、パレスチナ側が納得できるものではない。
パレスチナのマハムード・アッバース議長は、ブッシュ大統領の特使であるライス国務長官が「適当な妥協」を迫っても、それは出来ない相談であろう。マハムード・アッバース議長は、67年の国境を描き変える権利も権限も持ち合わせていないのだ。そんなことを認めれば、彼は一瞬にして銃弾によってあの世に送られることになろうし、彼に用意されるあの世は、その場合地獄であろう。
これだけ面倒で危険極まりない中東和平会議を、開催するとアメリカは言うが、未だに具体的な会議の細目も何も決まっていないようだ。そのことに対するイスラエル側の不満と焦りが、最近になって露骨に表れてくるようになった。
もしイスラエルのオルメルト首相も、今度のアナポリスで開催される和平会議に安易に乗れば、彼もまた銃弾によって、地獄に送られる危険性があるのだ。イスラエルにとっていま、最も迷惑かつ危険な国家は、イランやシリアではなく、いままで最も頼りにし信頼を置いてきた、アメリカなのかもしれない。
そして、ついには11月の後半に中東和平会議を実施し、パレスチナ国家設立への確たる成果を挙げたい、と望んでいるようだ。それも彼の言う、「神の命令」なのであろうか。
パレスチナとイスラエルとの平和構築問題は、これまで何人ものアメリカの大統領が、チャレンジしては失敗してきた案件だ。ブッシュ大統領が「神の命令」、「神の声」を聞いたからといって、そう簡単に片付くものではない。
パレスチナ難民の帰還は、イスラエルにとって受け入れられないことであると同時に、パレスチナ政府にとっても、その対応が不可能な問題だ。しかし、だからといって、パレスチナ政府が帰還権を放棄すれば、たちまちにしてパレスチナ人の支持を失ってしまう。
エルサレムの問題も同様で、絶対に双方が譲れない問題であろう。それは、イスラエルのユダヤ人にとっても、パレスチナ人にとっても、エルサレムが聖地だからだ。その権利を放棄することは、ユダヤ人にとっては、自己の存在を否定することになるし、パレスチナ人にとっては、世界中のイスラム教徒を、裏切ることになるからだ。
アメリカはいま、イスラエル側に妥協をさせ、エルサレムを二分して、パレスチナとイスラエルとに与えよう、としているのではないのか。同時に、パレスチナ領土にあるイスラエルの入植地を、放棄しろといっているのではないのか。もちろん、返還する土地はすべての入植地ではないことから、たとえ一部の入植地がパレスチナ側に返還されたからといって、パレスチナ側が納得できるものではない。
パレスチナのマハムード・アッバース議長は、ブッシュ大統領の特使であるライス国務長官が「適当な妥協」を迫っても、それは出来ない相談であろう。マハムード・アッバース議長は、67年の国境を描き変える権利も権限も持ち合わせていないのだ。そんなことを認めれば、彼は一瞬にして銃弾によってあの世に送られることになろうし、彼に用意されるあの世は、その場合地獄であろう。
これだけ面倒で危険極まりない中東和平会議を、開催するとアメリカは言うが、未だに具体的な会議の細目も何も決まっていないようだ。そのことに対するイスラエル側の不満と焦りが、最近になって露骨に表れてくるようになった。
もしイスラエルのオルメルト首相も、今度のアナポリスで開催される和平会議に安易に乗れば、彼もまた銃弾によって、地獄に送られる危険性があるのだ。イスラエルにとっていま、最も迷惑かつ危険な国家は、イランやシリアではなく、いままで最も頼りにし信頼を置いてきた、アメリカなのかもしれない。