立派なアメリカの一員になったリビア

2007年11月 3日

 アルカーイダのナンバー2アイマン・ザワーヒリが、リビアの反政府組織がアルカーイダに参加したことを、誇らしげに語ったという情報が流れている。そのリビアの組織は「リビア闘争組織」という名だそうだ。

 この組織はリビア東部を拠点にしていると伝えているが、リビアは革命前(1969年以前)から3つの地域に別れ、各々の地域住民たちは地域意識を持っていた。このため、カダフィ大佐が革命に成功したのは、リビアの東部と西部の中間の、シルテで生まれたからだといわれている。

 しかし、そのカダフィ大佐出生のメリットは、最近になって大分薄らぎ、各地で反カダフィ大佐の動きが繰り返されてきた。それが成功しなかったのは、カダフィ大佐が幸運だったこともあろうし、リビア人の反政府組織の作り方の稚拙さもあろう。

 しかし、1980年代半ばから続いた、アメリカのリビアに対する制裁が功を奏し、カダフィ大佐がアメリカの軍門に下ると、リビア国内の状況は大分変ってきているようだ。

 カダフィ大佐を支持してきた者のなかにも、最近のカダフィ大佐の政治姿勢は、ほとんどアメリカ追従であり、彼が革命の当初から語り続けてきた精神は、何処かに消えてしまっている。それはカダフィ大佐の演技かもしれないし、アメリカを本気で恐れた結果かもしれない。

 リビアの反政府闘争は現在の段階に入り、本格化していくということであろうか。その首班がアルカーイダなのか、リビア人なのか(アルカーイダのメンバーにもリビア人はいるし、彼らの一部は高位に就いている)あるいはそれ以外の勢力なのか、大いに興味のあるところだ。

 カダフィ大佐はアルカーイダを警戒し、恐れていたが、やっとここに来てその脅威を、よりいっそう恐れることになろう。アルカーイダの脅威からリビアが救われるために、はカダフィ大佐が見せ掛けだけのアメリカの友人ではなく、本物の友人になることが要求されよう。

 アメリカの庇護なしには、リビアがアルカーイダの脅威から、救われることは不可能だからだ。そして、リビアもサウジアラビア同様に国を一周するような、テロの侵入から自国を守るための長距離フェンスを建設する必要と、アメリカ製の兵器を大量に購入する必要が出てこよう。

 さあカダフィ大佐、貴方もこれで国際的に著名な、反テロ反イスラーム原理主義国家グループの一員になれたのですよ。しかも、現段階ではこのグループのメンバーはアメリカ、イギリス、日本、サウジアラビアを始めとする湾岸諸国と、非常に限られエリートで、金持ちの国家の元首たちに限られていますが・・・。