ある果物のたくさん実る豊かな森に、威張っているライオンの王様がいた。ライオンたちは王様が乱暴なので嫌がっていたが、王様ライオンが強いので、どうすることも出来なかった。

　その話を聞いた象は果物を腹いっぱい食べたいがために「俺がやっつけてやる」と言って、王様ライオンと喧嘩を始めた。象は王様ライオンに勝ったが、彼にはたくさんの子分がいた。

　子分のライオンたちは、大様ライオンの敵を討つために、象に立ち向かった、お互いが傷だらけになっていると、隣の森のパンサーがライオンたちに手助けを始めた。ケンカは勝負が付かないまま続けられた。

　だんだんこのケンカに嫌気が差してきた象が、引き上げようとしてもそうは行かなかった。もしケンカの途中で引き上げれば、象はライオンに負けたと森中に言いふらされて面子を失うし、目当ての果物を食べられなくなるからだ。

　そこで象は、彼の代わりにケンカを続ける動物を探し、ある策略をめぐらせた。小さい毒蛇にタイガーとケンカを始めさせたのだ。もちろん象は背後から小さい毒蛇の手助けをした。

　このケンカの話を聞きつけた大きな毒蛇たちも、タイガーを非難し始めた。しかし、彼らはタイガーとのケンカを本気でする気はなかった。

　象は何も知らないと言い、大きな毒蛇たちもあまり関係ないふりをした。しかし、タイガーは象と大きな毒蛇たちの悪巧みを知っていた。そしてついに、小さな毒蛇と本格的に戦うことにした。

　象と大きな毒蛇たちが、背後から小さな毒蛇を手助けするために、このケンカはなかなか終わらなかった。そして気が付いてみると、タイガーは象に代わってライオンとのケンカに巻き込まれていた。

　こうなると、これまでケンカしていた、象とライオンは仲直りし始め、象には果物が与えられ、ライオンたちは象から、タイガーとの戦い方を教わるようになった。

　象はほとんどの仲間をケンカら抜け出させ、果物を食べながら遠くから見ているだけになった。タイガーは結果的に象に代わってライオンとのケンカをすることになり、どんどん泥沼にはまっていった。

　ケンカでだいぶ傷を負ったタイガーは、やっとウサギが言った、象の悪巧みが本当だったことに気が付いた。