アメリカ軍のイラクでの苦戦を見るに見かねてか、ジョンズ・ホプキンス研究所のエドワード・ジョセフ研究員と、ブルッキングス研究所のミシェル・オハンロン研究員が共同でイラク三分割案を提案した。
述べるまでも無く、イラク三分割案とは、イラク北部のクルド地域と、イラク中部のスンニー派地域、イラク南部のシーア派地域に、イラクの領土を分割し、それぞれが統治するというものだ。
ただし、これら三地域を統合する、連邦政府を置くべきだとしているが、この連邦政府は、あくまでも三地域の利害にかかわる、問題の調整と解決のための機関であり、連邦政府というニュアンスは弱い。
このイラク三分割提案は、いまのところブッシュ政権には受け入れられていないようだが、アメリカの上院議会はこれを最善策と受け止めたのか通過させている。
もちろん、イラク側からは反発が起こった。クルド民族側はこの提案を大歓迎しているが、シーア派とスンニー派はこの三分割案を、受け入れるわけには行かないと、強い拒否の立場を示している。何とならば、イラク北部のクルド地域には、膨大な量の石油が埋蔵されているからだ。
この提案が取りざたされて間も無く、イラクではスンニー派とシーア派が接近し、対話の機会を持ち、スンニー派の副大統領が、シーア派のシスターニ師を訪問するといったことが始まっている。
アメリカ議会では、ペトレアス司令官やクロッカー駐イラク大使などが議会で報告し、イラク情勢は改善しつつあると証言したが、今回のイラク三分割提案と、それに対するアメリカ上院議会の提案への賛意で、事態は急激に悪化することもありえよう。
そもそも、ありもしない大量破壊兵器をあるとして、関係が無かったアルカーイダとイラク政府との関係をあるとして、イラクに軍事侵攻し、その後の状況がアメリカにとって不利だからと、三分割案で逃げ切ろうとすることは、イラク国民から受け入れられるはずが無い。
この三分割案がアメリカの上院で受け入れられたということは、アメリカの上院議員のレベルの低さを表すものであると同時に、彼らの身勝手さを如実に示すものであろう。こうした動きを見ていても、アメリカ社会がいま、どれだけ病んでいるのかが想像できるというものだ。
戦争という特殊事態はモノを破壊するだけではなく、人間のモラルや正常な判断力さえも破壊してしまう、危険なものだということだ。しかも、その破壊は前線の将兵だけがこうむる被害ではないということだ。
述べるまでも無く、イラク三分割案とは、イラク北部のクルド地域と、イラク中部のスンニー派地域、イラク南部のシーア派地域に、イラクの領土を分割し、それぞれが統治するというものだ。
ただし、これら三地域を統合する、連邦政府を置くべきだとしているが、この連邦政府は、あくまでも三地域の利害にかかわる、問題の調整と解決のための機関であり、連邦政府というニュアンスは弱い。
このイラク三分割提案は、いまのところブッシュ政権には受け入れられていないようだが、アメリカの上院議会はこれを最善策と受け止めたのか通過させている。
もちろん、イラク側からは反発が起こった。クルド民族側はこの提案を大歓迎しているが、シーア派とスンニー派はこの三分割案を、受け入れるわけには行かないと、強い拒否の立場を示している。何とならば、イラク北部のクルド地域には、膨大な量の石油が埋蔵されているからだ。
この提案が取りざたされて間も無く、イラクではスンニー派とシーア派が接近し、対話の機会を持ち、スンニー派の副大統領が、シーア派のシスターニ師を訪問するといったことが始まっている。
アメリカ議会では、ペトレアス司令官やクロッカー駐イラク大使などが議会で報告し、イラク情勢は改善しつつあると証言したが、今回のイラク三分割提案と、それに対するアメリカ上院議会の提案への賛意で、事態は急激に悪化することもありえよう。
そもそも、ありもしない大量破壊兵器をあるとして、関係が無かったアルカーイダとイラク政府との関係をあるとして、イラクに軍事侵攻し、その後の状況がアメリカにとって不利だからと、三分割案で逃げ切ろうとすることは、イラク国民から受け入れられるはずが無い。
この三分割案がアメリカの上院で受け入れられたということは、アメリカの上院議員のレベルの低さを表すものであると同時に、彼らの身勝手さを如実に示すものであろう。こうした動きを見ていても、アメリカ社会がいま、どれだけ病んでいるのかが想像できるというものだ。
戦争という特殊事態はモノを破壊するだけではなく、人間のモラルや正常な判断力さえも破壊してしまう、危険なものだということだ。しかも、その破壊は前線の将兵だけがこうむる被害ではないということだ。