トルコに代わってシリアが米軍物資輸送ルートに?

2007年10月28日

 トルコがPKKに対する、アメリカ、イラク、クルド政府の対応に業を煮やし、ついに制裁を実行する、可能性が高まってきた。  制裁はPKKを狙ったものだが、トルコからイラクに抜ける、ハブルの国境が閉鎖されれば、PKKばかりかクルド自治政府にも、イラク政府にもアメリカ軍にも、物資が届かなくなる。

 アメリカ軍の物資は、現在ハブルの国境を通過しているのが、全体の70パーセントにも上るといわれている。したがって、ハブルの国境が閉鎖されることになれば、アメリカ軍には70パーセントの物資が、届かなくなるということだ。  そこで、アメリカが検討を始めたのが、シリアの港で陸揚げし、シリアの領土を通過して、イラクまで物資を運ぶという新ルートだ。

 ご存知のとおり、シリアはイスラエルと敵対しており、アメリカはシリアのことを、悪の枢軸国家と決め付けている。そのシリアとアメリカは、どのようにして関係改善をし、軍事物資を運べるようにしようというのだろうか。  アナポリスで開催予定の中東和平会議に、アメリカはイスラエルの意向を無視して、シリアを呼びたがっているが、その辺に実はシリア招待の理由があるのかもしれない。アラビアン・ナイトではないが、何があってもおかしくも、不思議でもないのが、アラブなのであろうか。