パレスチナ議長とは夢と嘘を売る商売?

2007年10月24日

 アラファト議長はアラブ世界の中で、色々な形容詞をつけて呼ばれていた。あるいは世界中でそうだったのかもしれない。パレスチナの革命のリーダー、パレスチナの老練な政治家。パレスチナ革命の英雄。

 彼はパレスチナ人が、やがては父祖の地に帰れる。エルサレムを首都とするパレスチナ国家を設立する、と言い続けた。そのために、われわれは革命を遂行しているのだ、とも言い続けた。しかし、実際には世界中を飛びまわり、贅沢なものを食べ、金を集めていたに過ぎないのではないか。

 彼が若い時代に、戦闘に参加した勇敢なコマンドだったという話にも、だいぶ誇張があるようだ。

 しかし、その実態は世界中を駆け巡り、パレスチナの悲惨な状況を訴え、同情を引き、援助を集め、その一部をパレスチナ人に与え、相当部分を自分の懐に入れていたことも事実だ。

 一説によれば、彼が死亡した時点で、ソーハ未亡人の手元には、60億ドルの金が隠されていたということだ。その話を半分にしても30億ドル、三分の一にしても20億ドルの金が残ったということだ。これは円ではなくてドルだから3400億円か、あるいは6800億円ぐらいの金額になり、われわれ庶民には想像もつかない金額だ。

 アラブで出版された本のなかに、アラファト議長のことを「かばんを持った商人」というタイトルのものがあった。彼を皮肉ったものだ。

 さて、マハムード・アッバース議長はどうであろうか。彼もアラファと議長同様に、パレスチナ国家の設立、パレスチナ難民の帰還、エルサレムを首都に、と語り続けているが、その実現の可能性は全く無い、と言っても過言ではないのではないか。

 現在、マハムード・アッバース議長は、東南アジア諸国を歴訪しているが、そこではパレスチナの悲劇を訴え、われわれの革命はエルサレムの解放だ、と言っているのだろう。したがって、イスラームの第三の聖地エルサレムを解放するわれわれの闘争を、世界中のムスリムには支援する義務がある、と言って金を集めているのだろう。

 彼は今回の東南アジア諸国歴訪のなかで、2008年末までには、パレスチナ問題を解決すると言っているようだ。(表現は中東危機の解決策が見出されるだが)

 一体、誰が2008年までに、パレスチナ問題を解決すると、約束したのだろうか?アメリカ?それともイスラエル?私には現状を見る限り、その可能性があるとは思えないのだが。

ブッシュ大統領には、パレスチナ問題を解決する意思も、能力も無いと思えるのだが。そして、イスラエルのオルメルト首相にも、同様に解決の意思も能力も無いと思うのだが。

マハムード・アッバース議長はブッシュ大統領よろしく、アッラーの啓示でも受けたと言うのだろうか?