これまで長い間、トルコ国内で問題になってきた、クルド労働党(PKK)に対する対応をめぐり、トルコ国内では「軍事侵攻を決断すべきだ」という声が高まっている。
トルコ側の主張によれば、クルド労働党のゲリラがイラク北部のクルド地区に拠点を持ち、トルコ側に越境してはイラク側に逃げ込む、ということを繰り返してきているというのだ。
その結果、トルコの南東部地域では、PKKとトルコ軍が戦闘を展開し、トルコ住民もテロの対象になっている。トルコ側には、毎週のように犠牲者が出ていることから、トルコ政府に対し、国民と軍部から「断固とした対応を採るべきだ」という声が高まっている。
これに対し、トルコ政府はPKK問題を、できるだけ穏便に解決していきたいと考え、トルコ軍の北イラクへの軍事侵攻を認めてこなかった。
トルコ政府は、アメリカに対しPKKを放置しないこと、PKKに対して武器を供与しないことなどを要求し、同時にクルド政府とイラク政府に対してもPKKに対する対応を強く求めてきた。
しかし、アメリカ政府やクルド政府、イラク政府の、PKKに対する対応は不十分で、トルコ側の被害が拡大し続けている。このため、トルコの愛国党MHPは、「しかるべき強硬な措置をとるべきだ」と主張し、「与党AKPの対話路線は成功していない」と非難を寄せている。
与党AKPは経済活性化を第一目標にしていることから、その立場からすれば、イラク北部クルド地域に対する軍事侵攻は、極力避けたいということであろう。既に、イラク北部クルド地域では1000社以上のトルコ企業が、復興事業に参加しているからだ。
同時に、クルド地域への軍事侵攻は、トルコにとって今後のアラブ諸国との関係促進、アメリカとの関係、特にイラクとの関係上から考えると、実に微妙な部分がある。
感情が爆発して、トルコ軍を北イラクのクルド地域に軍事侵攻させるようなことになれば、今までのトルコの我慢が水泡に帰することにもなりうる。しかし、このまま放置すればトルコ国民の間で、政府に対する支持が低下することも懸念される。
そこで、今の時期になって、PKK 側が攻勢を強めているのは何故なのか、ということを考える必要がありそうだ。PKKはトルコ側がしかるべき決断ができないと判断し、攻勢の絶好のチャンスと見てなのか、あるいは近い将来、クルド政府やイラク政府、アメリカ政府が、PKK問題に対する対応をめぐって、トルコ政府との間にPKKにとって不利な何らかの合意に達する、と判断したうえでの焦りからなのかということだ。
現在のPKKの攻勢は、必ずしもトルコ側の対応を、甘く見てのものではないように思えるのだが。
トルコ政府も国民の一部の突き上げに対し、何らかの対応策をとらなければならない段階に入っていることも事実だ。したがって、PKK問題はいま、ひとつの頂点に達しつつあるのではないか。
トルコ側の主張によれば、クルド労働党のゲリラがイラク北部のクルド地区に拠点を持ち、トルコ側に越境してはイラク側に逃げ込む、ということを繰り返してきているというのだ。
その結果、トルコの南東部地域では、PKKとトルコ軍が戦闘を展開し、トルコ住民もテロの対象になっている。トルコ側には、毎週のように犠牲者が出ていることから、トルコ政府に対し、国民と軍部から「断固とした対応を採るべきだ」という声が高まっている。
これに対し、トルコ政府はPKK問題を、できるだけ穏便に解決していきたいと考え、トルコ軍の北イラクへの軍事侵攻を認めてこなかった。
トルコ政府は、アメリカに対しPKKを放置しないこと、PKKに対して武器を供与しないことなどを要求し、同時にクルド政府とイラク政府に対してもPKKに対する対応を強く求めてきた。
しかし、アメリカ政府やクルド政府、イラク政府の、PKKに対する対応は不十分で、トルコ側の被害が拡大し続けている。このため、トルコの愛国党MHPは、「しかるべき強硬な措置をとるべきだ」と主張し、「与党AKPの対話路線は成功していない」と非難を寄せている。
与党AKPは経済活性化を第一目標にしていることから、その立場からすれば、イラク北部クルド地域に対する軍事侵攻は、極力避けたいということであろう。既に、イラク北部クルド地域では1000社以上のトルコ企業が、復興事業に参加しているからだ。
同時に、クルド地域への軍事侵攻は、トルコにとって今後のアラブ諸国との関係促進、アメリカとの関係、特にイラクとの関係上から考えると、実に微妙な部分がある。
感情が爆発して、トルコ軍を北イラクのクルド地域に軍事侵攻させるようなことになれば、今までのトルコの我慢が水泡に帰することにもなりうる。しかし、このまま放置すればトルコ国民の間で、政府に対する支持が低下することも懸念される。
そこで、今の時期になって、PKK 側が攻勢を強めているのは何故なのか、ということを考える必要がありそうだ。PKKはトルコ側がしかるべき決断ができないと判断し、攻勢の絶好のチャンスと見てなのか、あるいは近い将来、クルド政府やイラク政府、アメリカ政府が、PKK問題に対する対応をめぐって、トルコ政府との間にPKKにとって不利な何らかの合意に達する、と判断したうえでの焦りからなのかということだ。
現在のPKKの攻勢は、必ずしもトルコ側の対応を、甘く見てのものではないように思えるのだが。
トルコ政府も国民の一部の突き上げに対し、何らかの対応策をとらなければならない段階に入っていることも事実だ。したがって、PKK問題はいま、ひとつの頂点に達しつつあるのではないか。