M・ダハラーンを副議長にしたいアメリカ

2007年10月22日

 パレスチナのマッチョこと、ムハンマド・ダハラーンが、また話題になり始めている。アメリカ政府が彼をマハムード・アッバース議長に次ぐ、ナンバー2のポストに就けたがっているということだ。

 これはエルサレム・ポストが10月22日に伝えたものだが、エルサレム・ポストはラマッラの消息筋からの情報として伝えている。つまり、この情報はファタハ内部マハムード・アッバース議長の側近筋から出たものと思われる。

 過去数週間のあいだ、ムハンマド・ダハラーンとマハムード・アッバース議長との間に、意見の対立があったことが、今回のムハンマド・ダハラーンを副議長のポストに、アメリカが推薦した原因だと思われる。

多分に、これはアメリカが呼びかける、アナポリスで開催予定の中東和平会議に対し、マハムード・アッバース議長が、ネガテイブな反応を示していることから、始まっているのではないか。

パレスチナ人の間では、ムハンマド・ダハラーンが欧米から資金と武器を受け取っていたにも拘らず、ハマースの蜂起阻止に失敗したことを非難する声もある。いずれにしろ、ムハンマド・ダハラーンとマハムード・アッバース議長との関係は芳しくなさそうだ。

ファタハ内部では、アナポリスの会議にマハムード・アッバース議長が、元首相のアハマド・クレイを団長に指名したことに対する批判も、出ているということだ。

それ以外に、マハムード・アッバース議長とサラーム・ファッヤード首相との関係も、最近になってギクシャクしているという情報もある。

イスラエルから出ている情報だけに、パレスチナ内部を混乱に陥れる、という意図が働いている可能性もあるので、全部を受け入れるのは危険だが、マハムード・アッバース議長と、その周辺が不安定化してきているのは確かであろう。

マハムード・アッバース議長は、アナポリスで開催予定の中東和平会議に対し、全く希望を見出していないばかりか、大幅な妥協をさせられるのではないかという、不安すら感じているようだ。そのことが、アメリカの逆鱗に触れているのではないか。