さる7月に、トルコとイランは、ガスに関する二つの合意に達した。ひとつは、トルクメニスタンで産出するガスを、イラン経由でトルコまで運ぶというものであり、両国はトルクメニスタンから、イラン・トルコに通じるガス・パイプラインを建設するというものだった。
もうひとつのガスに関する両国間の合意は、イランの南西部サウス・パルスのガス田開発を、トルコが進めるというものだった。そのいずれも、トルコにとっては大プロジェクトであり、今後実現の暁にはトルコに大変な利益をもたらすことが予測されている。
しかし、このいずれについても、不愉快なのはアメリカだ。アメリカが不愉快になる理由は主に次の2点であろう。
1:アメリカはイランに対し経済制裁を強化し、イランの体制転覆をはかりたい。もしそれが不可能な場合には、軍事力を行使してでも、イランの現体制を倒したいという考えだ。今回のトルコとイランとの間に交わされた合意は、アメリカの経済制裁と真っ向から対立するものだ。
2:トルクメニスタンのガス資源は、やがてはアメリカが完全に支配したい、と考えているのであろう。したがって、トルコには手を出させたくない、という考えであろう。
そこでアメリカ側は、イランのガス開発をやめることと、トルクメニスタン
のガス輸送については、カスピ海を横断するルートを進めるべきだ、とトルコ
側に詰め寄った。
しかし、トルコ側はそう簡単に、アメリカの圧力に屈していない。トルクメニスタンのガスの輸送については、カスピ海横断ルートをトルコも考えたが、それはロシア、カザフスタン、アゼルバイジャン、イラン、トルクメニスタンが、それぞれに権利を主張していることから、実現は困難だとし、アメリカの提案を一蹴している。
もちろん、アメリカがこれだけの反論で、トルコに対する圧力をやめはしないだろうが、では次の手段はどのようなものになるのか見ものだ。
トルクメニスタン・イラン・トルコを経由するというガス・パイプラインが完成することは、トルクメニスタンのガスに加え、将来的には、カザフスタンのガスや石油が、イラン経由でトルコに流れるということを予想させるのだ。
それは、中央アジア諸国のロシア依存と、ロシアに対する従属を和らげることになるし、ヨーロッパ諸国からすれば、エネルギー供給による、ロシアの圧力に屈しなくてよくなることでもある。
このトルコとアメリカの喧嘩は、どちらに軍配が上がるのか、私はトルコにかけたいのだが。
もうひとつのガスに関する両国間の合意は、イランの南西部サウス・パルスのガス田開発を、トルコが進めるというものだった。そのいずれも、トルコにとっては大プロジェクトであり、今後実現の暁にはトルコに大変な利益をもたらすことが予測されている。
しかし、このいずれについても、不愉快なのはアメリカだ。アメリカが不愉快になる理由は主に次の2点であろう。
1:アメリカはイランに対し経済制裁を強化し、イランの体制転覆をはかりたい。もしそれが不可能な場合には、軍事力を行使してでも、イランの現体制を倒したいという考えだ。今回のトルコとイランとの間に交わされた合意は、アメリカの経済制裁と真っ向から対立するものだ。
2:トルクメニスタンのガス資源は、やがてはアメリカが完全に支配したい、と考えているのであろう。したがって、トルコには手を出させたくない、という考えであろう。
そこでアメリカ側は、イランのガス開発をやめることと、トルクメニスタン
のガス輸送については、カスピ海を横断するルートを進めるべきだ、とトルコ
側に詰め寄った。
しかし、トルコ側はそう簡単に、アメリカの圧力に屈していない。トルクメニスタンのガスの輸送については、カスピ海横断ルートをトルコも考えたが、それはロシア、カザフスタン、アゼルバイジャン、イラン、トルクメニスタンが、それぞれに権利を主張していることから、実現は困難だとし、アメリカの提案を一蹴している。
もちろん、アメリカがこれだけの反論で、トルコに対する圧力をやめはしないだろうが、では次の手段はどのようなものになるのか見ものだ。
トルクメニスタン・イラン・トルコを経由するというガス・パイプラインが完成することは、トルクメニスタンのガスに加え、将来的には、カザフスタンのガスや石油が、イラン経由でトルコに流れるということを予想させるのだ。
それは、中央アジア諸国のロシア依存と、ロシアに対する従属を和らげることになるし、ヨーロッパ諸国からすれば、エネルギー供給による、ロシアの圧力に屈しなくてよくなることでもある。
このトルコとアメリカの喧嘩は、どちらに軍配が上がるのか、私はトルコにかけたいのだが。