サウジ・アラビアがパイプ・ライン防御に3・5万人の特別軍結成

2007年8月31日

 サウジ・アラビア政府は、自国内を縦横に走るパイプ・ラインを防御するために、3・5000人の特別軍を結成することを決定した。  確かに、パイプ・ラインはテロリストにとって、最も狙いやすいターゲットであろう。パイプ・ラインを爆破されては、さすがの石油大国サウジ・アラビアも、収入源を断たれることになり、国内は大混乱となろう。 

 そこで考えたくなるのは、この35・000人の兵隊に着せる軍服、持たせる装備には、一体どれだけの予算が必要になるかということだ。軍服は夏冬用、戦闘用と式典用それぞれ4着は最低いるだろう。 そして銃器、それに彼らが乗る戦闘用ジープ、しかも砂漠仕様の特別車両だ。それ以外にも消火設備を積んだ車、ヘリコプターも必要となり、大変な費用がかかることが容易に想像できる。35・000人といえば日本のサイズで行くと、3個師団をはるかに上回る規模なのだ。

 こうしたパイプ・ラインを守る軍隊は、サウジ・アラビアが産油国となって以来、今日までなかったことだ。それだけ世界情勢が複雑化し、サウジ・アラビア国内の情勢も悪化した、といえばそれまでの話だが、何故いまそれほどの軍隊が必要か、ということを考える必要があろう。 サウジ・アラビアでは、イラクに出入りするイラク人サウジ・アラビア人の往来を監視し、阻止するためのフェンスを、イラクとの国境に膨大な長さで、建設することも決定している。これに費やす費用も、ものすごい額にのぼるものと思われる。

 一体、サウジ・アラビアは何故そうまでも、危険を覚悟しなければならない国になったのか、実はその危険性は、もともとはサウジ・アラビアにはなかったものではないのか。 マッチ・ポンプという言葉が日本にはある。説明するまでもなく、マッチで火をつけて消化ポンプで火を消すことを言うのだが。一体、誰がこのマッチ・ポンプをやっているのかを考える必要があろう。マッチ・ポンプは日本にもあてはまるのだから。