ファタハとハマースは潰し合いを始めるのか

2007年8月27日

以前に、ハマースがガザを制圧した後、西岸でも反ファタハの組織を結成し、戦闘体制に入ろうとしている、というニュースをお伝えしたが、ここにきて、ファタハ側もガザでの反ハマース・デモを行ったり、ガザ内部に秘密の反ハマース組織を作り始めているようだ。

 つまり、ファタハもハマースも、いまが相手を潰すチャンスだ、と判断しているようだ。そうしたことを明確に示す、ハマース側の声明が発表された。シリアのダマスカスに居住するハマースの幹部が、西岸でまもなくファタハ対ハマースの、本格的な戦闘が始まると語たったのだ。

 実際に、先週末もガザでは戦闘に近い武力衝突が、ファタハとハマースの間で起こっている。  こうした傾向は、イスラエルにとって、もっとも歓迎すべきことであろう。パレスチナ人同士が殺しあってくれれば、イスラエル兵の犠牲を生まずに済むからだ。

 また、世界のパレスチナ問題に対する見方も、パレスチナ人同士の殺し合いは、非難こそされ、誰も同情することはあるまい。  そうしたなかで、結成が語られ始めた第三の勢力は、一体誰がバック・アップしているのであろうか。この第三勢力があくまでも、ノンポリの平和を望む西岸やガザのパレスチナ住民自らのものであればいいのだが。

 もし、外部の支援を受けたものであるとすれば、やがてはファタハとハマースというパレスチナ人の衝突同様に、パレスチナの立場を弱くすることにつながるのではないか。   そもそもこれら一連のパレスチナ内部対立は、金が絡んで起こっているのだ。情けない限りであろう。