サウジアラビアでらくだ大量死

2007年8月27日

 最近、サウジアラビアで、奇妙なことが起こっている。らくだが大量死しているのだ。このニュースは5-6日前に、CNNのネット・ニュースで流されたが、その原因が何かと一瞬の興味を持ったが、再度BBCのネット・ニュースが流した。

 らくだの死がニュースになるのは、狂牛病などと同じ扱いだからであろう。それだけらくだは、サウジアラビアなどでは、一般的な家畜になっているのだ。しかも、2000頭近くが過去一ヶ月のあいだに死亡しているのだ。

 サウジアラビアの首都リヤドに近い、ダワーシール地域で大量死が始まり、現在では、メッカからイエメンの国境にかけた地域でも、らくだの大量死が起こっている。  らくだはサウジアラビアをはじめとしたアラブ諸国では、食肉用、らくだの乳、らくだの油(肩こりなどの塗り薬として使用)、競争用など広範囲にわたって活用されている。もちろん、らくだはキャラバン用の荷役にも、いまだに使われているのだ。

 らくだの一頭の価格は、まさにピンキリあるが、数千ドルが相場のようだ。したがって、らくだが死亡するということは、らくだを飼育している酪農者にとっては、大きな痛手となる。  サウジアラビア政府農業省は、死亡したらくだの所有者に対する補償を、非常に早い段階で発表している。さてその死亡原因だが、いまのところ不明だが、資料のなかに毒物が混入していたためではないか、というのが当面の判断のようだ。

 実際に、誰かが飼料に毒薬を混入したのか、あるいは飼料のなかに虫が発生して、それが毒物を生み出したのかはわからない。 いずれにしろ、サウジアラビアのような社会では、こうしたことに対する、迅速な政府の対応がとられない場合、即座に地域住民の不満が爆発する、危険性につながるのだ。単に、らくだの死と捉えるだけではすまされないのだ。