胸のすくパレスチナの話

2007年8月 3日

 ハマースとファタハのガザ戦闘の結果、マハムード・アッバース議長はガザを放棄し、西岸に拠点をおいた。その後、法的根拠を示すことも無く、マハムード・アッバース議長はハマースのメンバーであるイスマイル・ハニヤ首相を首にし、ファッヤード氏を首相に据えた。

 このこと自体、大いに問題あるのだが、このマハムード・アッバース議長のハマースとの決別を機に、イスラエル政府はこれまで凍結していた、パレスチナの関税を凍結解除し、マハムード・アッバース議長側に渡した。

 結果的に、マハムード・アッバース議長の財布はふくらみ、これまで遅配となっていた給与の支払いを始めた。 しかし、給与支払いの対象から、ハマースのメンバーで公務員になっている者は外されることとなった。

 しかし、マハムード・アッバース議長はイスマイル・ハニヤ首相には、首相としての給与ではなく、国会議員としての給与を送りつけてきた。この国会議員の給与は、2500ドルから3500ドルということのようだが、イスマイル・ハニヤ首相はハマースのメンバーが支払われていないことに抗議し、彼の給与をファイヤード氏に送り返した。  これは最近珍しい胸がすく話ではないか、イスマイル・ハニヤ首相の判断と行動は、少なからぬ共感をパレスチナとアラブ社会に生み出すものと思われる。他方、ファタハ幹部の金にまつわるスキャンダルは、後を絶たない状況にある。