エルドアン首相の強みは放置計画の再着手

2007年8月 3日

 どこの国の政治家もそうだが、一時しのぎというか、人気取りで大型プロジェクトをぶち上げ、尻すぼみになることがある。そうした着手したあと放置されたままになっているプロジェクトの数は、途上国に行けば行くほど多いのではないか。

 述べるまでも無く、その主たる原因は予算が付いていかないことと、工事の途中で政治家が取るだけとって、あとは野ざらしにしてしまうからであろう。

 ところが、奇特な政治家が世の中にはいるものだ。トルコのエルドアン首相は同国で、工事途中で放置されていた代償700のプロジェクトにひとつずつ着手し、首相就任以来5年の間に、幾つかを完成させているのだ。  大型工事を例に上げるならば、たとえば首都のアンカラからイスタンブールにつながる、幹線道路の途中にボルという地域があり、ここは高地であることから、冬には雪が積もり、危険であると同時に交通が不便だった。

 このボル地域にトンネルを掘れば、交通の便は大幅に改善され、事故も減少すると思われていた。そのため再度着手され、今年完成している。アンカラ・イスタンブールはこのトンネルが完成したため、短時間で往来できるようになっている。  それ以外にも、黒海沿岸の高速道路の工事は、1983年にオザル大統領の時代に計画着手され、後に放置されていたが、エルドアン首相になってから完成をみている。

 ブルサ・ハイウエーも21年間放置されていたが、エルドアン首相の時代になり2004年に完成している。  また病院施設では、バトマンの総合病院、イズミールのキラーズ国立病院が完成している。イスタンブールのサビハ・ネムギョクチェン空港、ネムルート山の道路、イズミール-・ハラミデレ・パイプライン、マニサ・タバコ工場、ドウバヤズト文化センター建設工事も完成している。

 エルドアン首相がこれらの放置されていた工事に、再着手し完成することが出来たのは、彼の意志の強さと、トルコ経済が改善された結果であろう。  トルコの大衆は、エルドアン首相がイスラム保守派だから、選挙で彼の政党を支持したのではない。エルドアン首相の実績を評価して投票したのだ。