ガザで、パレスチナのファタハとハマースが武力衝突し、ファタハがハマースに敗北してガザを放棄したのは、つい最近のことだ。それ以来、ガザはハマースのテリトリーとして認識され、ガザをハマースの領土としてハマースタンと呼び、西岸をファタハが支配していることからファタハスタンと呼ぶ者さえ現れている。
ファタハとハマースの武力衝突はガザで起こり、ガザと西岸とをファタハ、ハマースがそれぞれ支配することによって、ある種の状況の安定鎮静が期待されている。今のところ、イスラエルや欧米は、西岸のファタハ勢力だけを相手にし、ガザのハマースは放置する構えを見せている。
こうした判断に基づき、イスラエルはファタハに対し、これまで凍結していたパレスチナの取り分である税金を、ファタハに渡すとともに、255人にも及ぶファタハ・メンバーの大量釈放も実行している。 イスラエル政府はこの釈放者たちが、イスラエル人を死傷させていない人たちであるから釈放したのだ、と説明しているが、それは表向きの理由であり、ファタハのマハムード・アッバース議長を、政治的に支援するためのものであり、ハマースに対する差別的な措置であった、と理解すべきであろう。
しかし、その後の推移は、必ずしもイスラエルや欧米の思惑通りではないことが、次第に明らかになってきている。ファタハが支配し安定化するはずの、西岸でファタハ系とハマース系それぞれの学生が大学構内で衝突し、負傷者が多数出る事態になっているのだ。結果はハマース支持派の学生が、ファタハ支持派の学生に勝利する形となった。 もちろん、ファタハ側はハマースが仕掛けたのだとハマースを非難し、ハマース側は投獄されているハマースのメンバーを、イスラエルが釈放することを要求するビラを配っていたのを、ファタハ側が妨害したのが衝突の原因だ、とファタハ側の学生を非難している。
この衝突では、双方が拳銃や小銃も持ち出され、一部学生が負傷してもいる。したがって、単なる学生同士のいがみ合い、といったレベルではないことが分かろう。西岸ではハマース系の人たちが逮捕され、ファタハによって拷問を受ける事態も発生しているのだ。 早晩、西岸ではファタハとハマースの武力衝突が、ガザで起こったのと同じように起こるのではないか、という懸念が広がっている。その場合、ファタハが西岸において優位に立っているといわれているが、意外にハマースのほうが広く根を張っている可能性がある。
そうであるとすれば、もし武力衝突が起こればファタハが敗北し、西岸から追放される(逃げ出す)可能性もあろう。マハムード・アッバース議長は民主的非暴力的に、現在パレスチナがおかれている混沌状況から抜け出すためと、ファタハが主導する政府を正式なものにするために、選挙を早めて実施する方針を発表している。 しかし、暴力的衝突でも分かるように、西岸でもハマースのほうが支持者が多いのではないか。そうなれば、選挙の結果はファタハが不正を行わない限り、ハマースの勝利に終わる可能性が高い。
ファタハとハマースによるガザでの戦闘は、両派の武力対決の第一ラウンドであり、今後、第二ラウンドが起こる可能性が高いのではないか。その段階では、より明確にパレスチナの大衆のハマースに対する支持と、ファタハに対する不信感が明らかになろう。そうしたパレスチナの現実に、日本や欧米各国はどう対応していくべきなのであろうかを、いまのうちから考えておく必要があろう。
ファタハとハマースの武力衝突はガザで起こり、ガザと西岸とをファタハ、ハマースがそれぞれ支配することによって、ある種の状況の安定鎮静が期待されている。今のところ、イスラエルや欧米は、西岸のファタハ勢力だけを相手にし、ガザのハマースは放置する構えを見せている。
こうした判断に基づき、イスラエルはファタハに対し、これまで凍結していたパレスチナの取り分である税金を、ファタハに渡すとともに、255人にも及ぶファタハ・メンバーの大量釈放も実行している。 イスラエル政府はこの釈放者たちが、イスラエル人を死傷させていない人たちであるから釈放したのだ、と説明しているが、それは表向きの理由であり、ファタハのマハムード・アッバース議長を、政治的に支援するためのものであり、ハマースに対する差別的な措置であった、と理解すべきであろう。
しかし、その後の推移は、必ずしもイスラエルや欧米の思惑通りではないことが、次第に明らかになってきている。ファタハが支配し安定化するはずの、西岸でファタハ系とハマース系それぞれの学生が大学構内で衝突し、負傷者が多数出る事態になっているのだ。結果はハマース支持派の学生が、ファタハ支持派の学生に勝利する形となった。 もちろん、ファタハ側はハマースが仕掛けたのだとハマースを非難し、ハマース側は投獄されているハマースのメンバーを、イスラエルが釈放することを要求するビラを配っていたのを、ファタハ側が妨害したのが衝突の原因だ、とファタハ側の学生を非難している。
この衝突では、双方が拳銃や小銃も持ち出され、一部学生が負傷してもいる。したがって、単なる学生同士のいがみ合い、といったレベルではないことが分かろう。西岸ではハマース系の人たちが逮捕され、ファタハによって拷問を受ける事態も発生しているのだ。 早晩、西岸ではファタハとハマースの武力衝突が、ガザで起こったのと同じように起こるのではないか、という懸念が広がっている。その場合、ファタハが西岸において優位に立っているといわれているが、意外にハマースのほうが広く根を張っている可能性がある。
そうであるとすれば、もし武力衝突が起こればファタハが敗北し、西岸から追放される(逃げ出す)可能性もあろう。マハムード・アッバース議長は民主的非暴力的に、現在パレスチナがおかれている混沌状況から抜け出すためと、ファタハが主導する政府を正式なものにするために、選挙を早めて実施する方針を発表している。 しかし、暴力的衝突でも分かるように、西岸でもハマースのほうが支持者が多いのではないか。そうなれば、選挙の結果はファタハが不正を行わない限り、ハマースの勝利に終わる可能性が高い。
ファタハとハマースによるガザでの戦闘は、両派の武力対決の第一ラウンドであり、今後、第二ラウンドが起こる可能性が高いのではないか。その段階では、より明確にパレスチナの大衆のハマースに対する支持と、ファタハに対する不信感が明らかになろう。そうしたパレスチナの現実に、日本や欧米各国はどう対応していくべきなのであろうかを、いまのうちから考えておく必要があろう。