米軍PKKに武器供与は事実か?

2007年7月 3日

 先週末に投降した4人の下PKKメンバーが、アナトリアのシュルマクで記者会見し,「PKKは米軍から武器を供与されている」と語った。記者会見に出た彼ら4人はマスクを付けており、記者団の前で顔を見せなかった。

 この証言が事実であるとすれば、トルコとアメリカとの関係は、非常に難しいものになっていくのではないかと思われる。トルコ政府もこの元PKKメンバーの証言を、例え事実であるとしても、そのまま受け止め、しかるべき対応をすることは困難であろう。


 トルコはいままでアメリカに対し、イラクのクルド地域にキャンプを持つPKKに対する対応を求めていたが、アメリカはほかのテロに対する対応が忙しく、PKKにまで対応していられない、とトルコに説明してきていた。
もちろん、今回の元PKKメンバーの記者会見での証言について、トルコの首都アンカラにある、アメリカ大使館の報道官カスリーン・スカロウさんは「全くばかげたことだ、アメリカはPKKをテロ組織に認定しているのだ。」と強く否定した。

 この元PKKメンバーの証言は、イランからも報じられたが、それは何を意味しているのであろうか。トルコとイランとのなんらかの、良好な関係の兆しなのかもしれない。
トルコは現段階でアメリカを非難し、一方的にクルド地域に軍を進め、PKK掃討作戦をしても、しかるべき成果は挙げられまい。すでにPKKのキャンプは、トルコ軍の攻撃を予測し、もぬけの殻になっている、と伝えられているからだ。

 そうなると、トルコ軍はクルド地域全体を、ターゲットにしなければならないことになるが、それは世界の非難を受けることにも繋がろうし、膨大な犠牲と出費を覚悟しなければならなくなるということでもあう。

 アメリアかはトルコと同じNATOのメンバー国として、しかるべき説明と協力を、PKK問題ですべきではないのか。それ無しには、トルコ国内の反米感情はいやがおうにも高まっていき、中東地域全体がますます不安定化していくことになろう。