馬鹿げたアルカーイダのハマースとの連帯呼びかけ

2007年6月27日

 アルカーイダのナンバー2であるアイマン・ザワーヒリが、パレスチナのハマースに対して連帯を呼びかけている。お互いにイスラーム原理主義だから連帯しよう、ということなのであろうか。  述べるまでもなく、ハマースはムスリム同胞団を母体とする、パレスチナの解放闘争組織だが、決してアルカーイダのような方式はとらないだろう。もしそういう方式をハマースがとるならば、世界中はハマースを、完全に見放すことになるからだ。

 ハマースの闘争方針は、あくまでも政治的な駆け引きとしての武力闘争であって、武力闘争が主体ではあるまい。ガザでの戦闘でファタハに勝利したいま、ハマースにとって最も必要なのは、世界の国々に対して、ハマースがノーブルな組織である、という印象を与えることであろう。  だからこそ、ハマースはイスラエル兵の釈放や、BBC記者の釈放にいち早く取り組んだし、ガザを一日も早く安定化させ、秩序を取り戻したいと考え努力しているのだ。

 アルカーイダのナンバー2であるアイマン・ザワーヒリは、ハマースに対し、イスラム法(シャリーア)のガザでの早急な施行、資金や武器の提供、そして武力闘争の支援を呼びかけているが、それに乗るほどハマースは未熟な組織ではなかろう。 ハマースはイスラエルの占領下で、長期間に渡って、イスラエルとの交渉闘争を貫き、その後に始めたインテファーダ、そして、その後の一定範囲内の武力行動を展開してきている組織なのだ。

かんぐってみれば、この時期にアルカーイダがハマースに対して、連帯を呼びかけたことは、ハマースをアルカーイダと同等の位置に置く、悪いイメージつくりのための宣伝ではないのか。 しかも、アルカーイダのアイマン・ザワーヒリによるハマースへの連帯呼びかけは、エジプトのシャルム・エルシェイクで開催された、中東和平のための4首脳会議の時期と時を同じくしている。その意味でアルカーイダのハマースへの連帯呼びかけは、ハマースのイメージ・ダウンには宣伝効果は大きいだろう。しかも、それをいち早く伝えたのはBBCなのだ。