エジプトの諮問会議議員選挙暴力で規制?

2007年6月13日

 エジプトでは6月11日に、アメリカの上院議会に相当する、諮問議会議員選挙が行われ、88議席をめぐり587人が立候補した。  そのうち、エジプトで最も協力な野党集団として知られる、ムスリム同胞団からは19人が立候補したが、全敗に終わったようだ。

 6月11日の投票日には、警察が投票所を囲み、ムスリム同胞団メンバーの投票参加を阻止した、と報じられている。しかも、1人が死亡し複数の負傷者が出たことも報じられている。  エジプト内務省は、外国で報じられた投票時の暴力事件について、全面否定し、投票は静かに行われた、と発表している。しかし、過去の選挙でも、ムスリム同胞団のメンバーが投票を禁じられたり、暴力を受けた事例が多かっただけに、今回もそうであったものともわれる。

 エジプトではムバーラク大統領の後継者として、彼の次男がマールの名が出ているが、諮問議会は大統領指名にも関係しているだけに、政府側としてはなんとしても、絶対有利な状況を作っておきたかったのであろう。  しかし、政府の投票規制が厳しいことが、諸外国から顰蹙を買い、ガマールへの後継が困難になりうる可能性もあろう。要は、何事もほどほどに、ということであろう。

 エジプト政府の選挙をはじめとする、最近の強硬な対応は、何に起因すのかを、考えてみる必要がありそうだ。