リビアの子供４２６人がＨＩＶに罹った原因は、当時リビアの病院で働いていたパレスチナ人医師や、ブルガリア人看護婦に責任があるとして、１９９９年以来投獄されていたが、彼ら６人にリビアの裁判所が死刑判決を下して以来、時間が経過している。 　これまで、カダフィ財団の代表であるサイフ・ル・イスラーム氏は、この問題を人道的に解決しようと努力してきた。氏は早急にこの問題を解決したいという意向を５月１０日ブリュッセルでの会議で表明していた。

リビア側からは死刑の代わりに、子供一人につき１０００万ユーロの慰謝料を支払うことを新しい条件として提示されていた。リビア側はこの慰謝料が支払われれば、ブルガリア人看護婦の釈放を考慮すると伝えていた。 　しかし、ＥＵ側はこのリビア側の支払い要求には応じず、その代わりに子供たちを、ヨーロッパの病院で治療するという代案を提示していた。

　今回、ＥＵの対外委員会代表のベニタ・フェレロ氏と、ドイツのステインマイヤー外相がリビアのベンガジを訪問し、ＨＩＶ被害者家族を訪問することになったが、被害者代表のラガ氏は、被害者家族も早急にこの問題を終わらせたいという意向を表明している。 　リビアはこのＨＩＶ 問題で、パレスチナ人医師とブルガリア人看護婦が、意図的にＨＩＶ病原菌をリビア人の子供に植えつけたと主張しているが、ほとんどの専門家は、リビアの病院の設備の悪さに主たる原因があるのであって、彼ら医師と看護婦は、この悲劇のスケープ・ゴートにされたのだと判断している。